群馬大学医学部重粒子線医学センターの中野隆史さん

TBS「夢の扉+」で、「群馬大学医学部重粒子線医学センターのがん治療」を見た。群馬大学医学部の中野隆史教授が設立した重粒子線医学センターで、加速器を使って炭素イオンを光速の70%の速度まで加速して、がんの病巣部に照射する。無傷無痛の治療法として患者の負担が少ない。固定具で体をとめて、がんの形にくりぬいたブロックを設置する。肝臓がんの86歳の患者の場合、重粒子線は1~2分照射し、患者の呼吸状態に注意する。治療は15分で終わり、1週間で4回やって様子を見るという。その患者さんは2~3ヶ月でがんが消失する見通しだという。

重粒子線は、放射能の一種で炭素イオンを使って行われる。体の奥にできたがんでも効果がある。年齢的に手術が難しい患者にも実施できる。日本では現在3箇所に施設があるけど、保険適用外なので300万円くらい費用がかかる。現在効果があると言われているのは、脳・眼・肺・肝臓・すい臓・前立腺・子宮・直腸・骨腫瘍・軟部組織などだ。

1994年には放射線医療研究所で治療が始まった。その規模を3分の1にした施設を群馬大学に作りたいと中野さんは考えた。以前から放射線医療の研究を行ってきたので、群馬大学にも作りたいを思ったのだ。でも、文部科学省の役人からは「東大や京大ならともかくなんで群馬大なのか。100億円以上かけて失敗したらどうするのか」と拒否された。何十回と通い、中野隆史教授は2010年から治療を開始することができた。

中野さんは、新たなミクロのビームを使った治療に取り組み始めていた。数ミリから数センチの腫瘍に、極細ビームを当てて治療するのだ。特殊なフィルムに照射してみると、「夢」という文字と群馬大のマークが浮き上がった。

九州佐賀に、産官学の新しい治療施設を現在建設している。九州国際重粒子線がん治療センターといい、九州新幹線新鳥栖駅前に建設中だ。来年5月から治療を開始する予定だ。スキャニング法という方法で、最新ミクロビームを照射する。

群馬大学の施設には、見学者をどんどん受け入れている。また、日本粒子線治療学会でも研究の成果を発表している。



同じカテゴリー(科学技術)の記事

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
群馬大学医学部重粒子線医学センターの中野隆史さん
    コメント(0)