恋愛適齢期

2004年04月03日 10時12分48秒
2004年4月1日の映画の日に見に行ってきた。ジャック・ニコルソンはアカデミー賞ノミネート12回で3回受賞、ダイアン・キートンは4回ノミネートで1回受賞、またフランシス・マクドーランドは3回ノミネートで1回受賞という押しも押されぬ芸達者が揃った大人の恋愛コメディーだ。監督・脚本・製作のナンシー・メイヤーズの手腕も大きいが、何と言っても主演の二人の演技は見事だ。もう、避妊の必要がなくなったエリカ(ダイアン・キートン)のときめきの体験は、女性なら誰でも共感できるに違いない。

これは、20代以上の女性だけでなく彼女達のパートナーや、男性のみなさまも見て損はないお勧めの映画だ。大人のユーモアと洒落たセリフやわざわざ建築された海辺のコテージ、またパリなどでのロケ、ダイアン・キートンの美しさ、ジャック・ニコルソンの懐の深い演技、また娘役のアマンダ・ビートのさわやかさ、キアヌ・リーブスの二枚目ぶりなどなど見所満載大サービスなのだ。そして、採用されている音楽もサッチモの「バラ色の人生」やアストラッド・ジルベルトの「ソー・ナイス」などジャズ・シャンソン・ボッサなど見事な選曲なのだ。

ハリー(ジャック・ニコルソン)は63歳になるのに独身で、ラップのレコード会社などを経営する実業家だ。そして、付き合う女性は自分より30歳以上年下というすけべおやじだ。例によって、現在の彼女マリン(アマンダ・ビート)とニューヨーク郊外の海辺のコテージにやってくる。ところが、そこはマリンの母で劇作家のエリカ(ダイアン・キートン)が作品執筆のために建てた別荘で、エリカとその妹のゾーイ(フランシス・マクドーマンド)もバカンスに来たのだ。

突然の遭遇で、二つのグループは戸惑い最初のディナーの時は全く話がかみ合わない。食事後、2階の娘とハリーの年の差カップルはラップで盛り上がるが、突然ハリーが心臓発作で倒れ、エリカが人工呼吸などの救命処置をして病院にすぐに運んだために命を取り留める。ハリーの担当医は、30代半ばのイケメンのジュリアン(キアヌ・リーブス)だった。ジュリアンは、20歳以上年上のエリカを好きになってしまう。エリカは、ジュリアンから求愛され戸惑ってしまう。

一方、ハリーは不自由な入院生活に恐れをなしなんとか安静と通院を条件に退院する。つまり、エリカの別荘で静養することになるのだ。やがて、娘も妹も仕事に戻り、エリカだけが執筆のためにハリーとの共同生活を強いられる。最初の頃のすれ違いぶりがとてもおもしろい。下ネタもうまい処理で笑いを誘い、二人が徐々に打ち解けていく様子も丁寧に描かれている。

度々心臓発作を起こすハリーが、バイアグラを飲んでいるかどうか説明するのに慣れるのもおもしろいし、ハリーとエリカが結ばれるのにバイアグラなしでも成功するのも洒落たユーモアを感じる。せっかく仲良くなっても、ハリーは元気になると仕事に戻ってしまう。しかし、ジュリアンからの求愛を受け入れながらも、自分の気持ちがわからなくなったエリカは、ハリーの姿を求めてニューヨークに出て行く。

しかし、ハリーが他の女性と食事をしている姿を目撃したエリカは、激しく動揺し自分がハリーを愛していることに気が付く。ハリーとエリカとジュリアンの三角関係が、どこに落ち着くのかはだいたい想像できるだろう。ハッピーエンドだから安心して欲しい。また、この展開には変なひねりは必要ないとわては思う。

パリでの雪の降る中でのラストシーンは、ロマンチックでほろりとさせられる。音楽もぴったりだ。是非このエンディングの情感溢れる雰囲気に浸って欲しい。クレジットの最中もすばらしい音楽も流れる。最後まで席を立たないで欲しい。



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