地球が静止する日

キアヌ・リーヴス主演のSFスペクタクル映画だ。1951年に公開された作品のリメイクらしいが、話の内容は現代的なものになっている。球状の物体が出現したり、スタジアムや走行中のトラックが壊れていく予告編を見たわては、もっと壮大な大作なのかと思った。

確かに、「環境破壊の限りを尽くしている人類がいなくなると、地球のほかの機能は正常になる」かもしれない。地球外生物体であるクラトゥ(キアヌ・リーヴス)が、人間に姿を変えていた老人から人類のこれまでの歩みを聞いて今後の対応を検討する。彼は、その事情聴取だけで人類を滅亡させると一旦決めてしまう。

その後、微生物学者のヘレン(ジェニファー・コネリー)やその子供ジェイコブ(ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス)との交流で、あういう結末に持っていくのは強引すぎる。予告編がよく出来ているので、もっと奥行きのある映画だと思った。でも、あの予告編以上でも以下でもない。

VFXやあの大きなロボットは、見ごたえがあった。でも、人類は変わることができるといくら涙目で訴えても、我々観客の心には伝わってくるものがないと思った。わては、映画を見たらなるべくいい点を見つけるようにしている。取り上げているテーマは非常にいいと思う。そこで、この映画をどうすればもっと見ごたえがあるものにできるか、ちょっと考えてみた。

まず微生物学者のヘレンや彼女の学者仲間が、地球の環境破壊について色々研究を重ねている様子を描く。そして、絶滅する生物が続出したり、地球規模の環境破壊が問題になっていく様子を細かく描く。それに対して、彼らの研究を全く省みない政府の当局者や資本家の横暴や、戦争の悲劇を詳しく描写する。

その上で、ヘレンの研究や仲間の研究(古生物学など)から地球外生物の存在が徐々に明らかになっていく。そこで始めて、クラトゥが出現して人類に警告を与える。エンディングを丸く収める必要はなく、絶望的なものでもいい。もっと、ショックがある物語を見たかった。

大統領が顔を出さない設定が、いかにも大統領選の年を意識していて作為を感じた。なんだかなあ、の映画だった。ゴロゴロ。



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