老人と海

2006年3月5日 14時19分
1958年公開、ノーベル文学賞受賞者アーネスト・ヘミングウェイ原作の同名小説をジョン・スタージェス監督、スペンサー・トレイシー主演で映画化された作品だ。お話の内容は誰でも知っている内容で、映像として見るのは今回始めてだ。BSで放送されたものを、わては録画して見た。スペンサー・トレイシーは名優として知られているが、オスカーにノミネートされること9回、うち受賞2回という輝かしい功績を持っている。また、音楽担当のディミトリ・ティオムキンは本作でアカデミー賞劇・喜劇映画音楽賞を受賞したが、実にノミネート19回で4回受賞した。老人とカジキの格闘を4日間に渡って繰り広げたトレイシーの熱演は、まさに自然との闘いであり人間の小ささと自然の偉大さを感じさせる感動の物語になっている。

サンティアゴ(スペンサー・トレイシー)は、妻を亡くして一人で漁に出る孤独な老人だった。マノリーン(フェリッペ・パゾス)は、老人の近所の家に住む少年で、老人の船に乗っていっしょに漁を手伝っていたがあまりの不漁に親から別の船に移るように言われていた、そのために、今は老人が漁から帰ってきた後、帆や投げ綱を自宅まで運ぶのを手伝っていた。サンティアゴは84日も魚が取れずに、食べるものにも困る状態だった。マノリーンは、そのためにカフェの主人(ハリー・ピレーヴァー)に食べ物を自分のお金で作ってもらい、老人に運んでいた。もちろん、自分がお金を出したことは内緒だ。

老人は、夜アフリカの夢をよく見た。百獣の王ライオンが好きで、食物連鎖の頂点にいることを憧れているのかもしれない。太陽が出る前に起き出して、少年を起こして港に向かう。老人の船は1本の帆が立つだけの小さな船で、乗っているのも彼一人だった。他の船も揃って沖に漕ぎ出して、いっせいに漁に向かう。それぞれのポイントを目指して、船は散り散りバラバラになる。飛び魚が寄ってきたり、イルカが近くに来たりしていると、軍艦鳥が姿を見せる。大物がいる気配を感じた老人は、その海域に近づいていく。すると、今までに経験したことがない引きを体験して、その大物は老人の小船をずっと引っ張っていく。

途中で釣れたマグロをナイフで刻んで食べながら、綱を離さず相手が疲れるまで待つ。夜になって日が昇り、また日が沈み昇る。手が血だらけになっても、老人は格闘をやめない。3度目の太陽が昇った時、船よりもでかいメカジキが海上に姿を見せて、老人と格闘する。海上に飛び跳ねるメカジキを徐々に近づけて、モリで仕留める。そして、船の横にロープでくくりつけて帰り道に向かう。老人は、海流の流れや星の位置で迷子になることはなかった。でも、メカジキを無傷のまま港に持ち帰るには、難敵がいた。それは、血の臭いを嗅ぎ付けてくるサメだった。

最初の頃は、モリで反撃していた。でも、モリが折れてしまうと、オールにナイフをつけてモリの代わりにした。それもだめになると、舵の棒を使ってサメの頭を殴った。そして最後には、メカジキは頭だけを残して骨だけになってしまう。それでも老人は、「遠出をしすぎただけだ」と考えて誇りを失っていなかった。なんとか港にたどり着いた老人は、帆と綱を持って自宅まで歩いていき倒れこんで寝てしまう。老人の仕留めたカジキを見て村人はびっくり仰天して、魚の頭だけを切り取る。少年は、自分が今度は船に乗るよと申し出る。「運は、ぼくがもっていくよ」というセリフは、ほんとうに洒落ている。



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