ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還

2004年02月17日 20時44分08秒
J.J.R.トールキンの「指輪物語」を原作に作られた、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの第三弾完結編・”王の帰還”である。前作の2編と比べると、戦闘シーンも登場人物のドラマもよりパワーアップして、一番の出来と言っていいだろう。多分、11部門にノミネートされたアカデミー賞で、いくつかの部門は受賞するだろう。これは、映画史上に燦然と輝く作品であることは間違いなく、名作である。この作品にけちを付けるのは、野暮だ。

前作でサルマン率いる1万の軍勢を、ガンダルフ(イアン・マッケラン)やアラゴルン(ヴィゴー・モーテンセン)の活躍で、人間の国ローハンで打ち破った。また、メリー(ドミニク・モナハン)とピピン(ビリー・ボイド)が呼んできたエントという樹木の巨人が、二つの塔に立て篭もっていたサルマンを滅ぼした。

だが、冥王サウロンは、もう一つの人間の国ゴンドールに20万の軍勢を送り込む。オークや巨人や巨大な象、空を飛ぶ竜に乗るナズグルなどが、投石器や破城槌などを用いて、ゴンドールの都ミナス・ディリスを攻め立てる。その圧倒的な戦闘シーンは、映画館で見ないといけない。これほどの迫力ある戦闘シーンは、今までの映画では見られなかった。

一方、フロド(イライジャ・ウッド)とサム(ショーン・アスティン)と指輪の元の持ち主ゴラム(アンディ・サーキス)は、ゴラムの道案内で進んでいた。しかし、映画の冒頭で明らかになるように、友人を殺してまで指輪を手に入れたゴラムの指輪に対する執念は、簡単になくなるものではなかった。彼らはゴラムの策略で、蜘蛛の化け物シェロブの住む洞窟に導かれる。また、フロドは、指輪の魔力で心を蝕まれ、徐々に精神を病んでいく。そして、サムと仲間割れを起こしてしまう。

20万の軍勢を前にして、人間達の力は絶望的に弱い。そして、戦闘に向かう兵士達は、「death(死を)」と雄たけびを上げて突進するのだ。つまり、彼らは生きて帰ることを考えていない。冥王サウロンは、サルマンの使っていた水晶玉に触れたものや指輪を持っているものの心を操ろうとする。

最後の方で、アラゴルンとレゴラス(オーランド・ブルーム)、ギムリ(ジョン・リス=デイビス)が、アラゴルンの祖先イシルドゥアに忠誠を誓いながら約束を果たさなかった死者たちを”死者の道”から連れてきて援軍に駆けつけるのだ。フロドは、ゴラムの企みに気が付いてゴラムを崖下に落とす。

フロドに追いついたサムは、「指輪を背負うことはできないが、あなたを背負うことは出来る」と言い疲れきったフロドをおんぶして、モンドールの滅びの山を登る。いざ指輪を捨てる場面になると、フロドは指輪のの誘惑に負けて、自分の指にはめてしまう。そこに、ゴラムが現れて格闘になる。ゴラムに指輪をはめている指を噛み千切られて奪われるが、ゴラムを指輪と共にマグマの谷に突き落として、指輪は溶けてなくなるのだ。

これによって、闇の勢力は全滅し、中つ国の第三紀が終わる。そして、正式な王の血筋を引くアラゴルンがゴンドールの国王に即位するのだ。後日談で、アラゴルンとアルウェン(リブ・タイラー)もカップルになり、男装して出陣したエオウィン(ミランダ・オットー)とファラミア(デヴィッド・ウェンハム)も結ばれ、サムが結婚する。

世界は人間だけのものになり、不死のエルフや魔法使いや指輪を持った経験のあるビルボとフロドは、中つ国から去らないといけない。これは、世界が不完全な者だけの存在になり、弱いものだけの集まりになったということだ。

その意味する事は、弱きもの同士が争うことは愚かなことということだ。もはや、この世の中に永遠の命はない。誰にでも、死はある。それでも、殺し合いをやめない人間はいかにも愚かだ。



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