ルーキー

2005年1月12日 17時45分
1990年公開の、クリント・イーストウッド監督・主演の刑事物の映画だ。相手役に、若いチャーリー・シーンを配しベテラン刑事と新米刑事の凸凹コンビのお話だ。ダーティー・ハリーシリーズに変わって、始まった刑事物というわけではなく単発の作品のようだ。本来ならイーストウッドが大暴れして、新米刑事を驚かすという展開が予想されるが、今作ではチャーリー・シーンに花を持たせて彼の成長物語になっている。所々にユーモアを配して、肩の力が抜けた映画だ。

ロスのイースト地区の警察の車両盗難担当の刑事ニック・プロウスキー(クリント・イーストウッド)は、無鉄砲な捜査で実績を上げてきたベテランだった。その日も、車両運搬用のトレーラーを使ったプロの盗難犯を捕まえようとしたが、相棒を殺され追跡したが逃げられてしまう。犯人たちが、トレーラーから盗んだ車を追ってくるニックの車に向けて投下しながら逃げて、最後には牽引部分を切り離して逃げられてしまった。署に戻ったニックは、相棒のことは残念だったと皆から声を掛けられる。

上司の警部補に呼び出されたニックは、強引な追跡を非難される。そして、亡くなった相棒の替わりに新人のデビッド・アンカーマン(チャーリー・シーン)とコンビを組まされる。非常に成績が優秀だと紹介されるが、デビッドの格好はスーツ姿だった。「イーストLA勤務は、今夜が始めてか。もっと、街に溶け込む格好をしろ。」とニックは、デビッドに言う。盗難団の頭、ストロム(ラウル・ジュリア)とその女リースル(ソニア・ブラガ)は、ニックの存在に頭にきていた。

デビッドは、子供の時に兄を自分のせいで死なせてしまったということをずっと後悔していた。そして、会社経営者の父に反発するように警官になったのだった。デビッドは家を出て、ガールフレンドのサラ(ララ・フリン・ボイル)といっしょに生活しており、たまに親元に顔を出していた。デビッドは、父に顔を見せるのが苦手だった。デビッドの父は、ニックにデビッドのことを頼むと金を渡されるが、「子守なら、電話帳で探せ」と金を突き返す。しかし、ニックはデビッドを自宅に招いてハーレーダビッドソンのコレクションを見せるなど面倒を見る。どうしても、エンジンが掛からないというハーレーを一発でデビッドが掛けて驚かせる。

盗難団の手がかりを探っていたニックとデビッドは、罠にはまってニックが人質に取られてしまう。デビッドは、その時リースルから「ど素人が」と罵倒される。そして、彼らは200万ドル(1億2千万円)の身代金を要求する。ストロムたちは、盗難車の取引相手からブツの要求を迫られていたのだ。でも、警察は刑事にそんな金を払えないと突っぱねる。デビッドは、始めて本気になって動き始める。父親に身代金の200万ドルを用意してもらい、単身一味の潜伏する工場に乗り込んでいく。

デビッドの変わりようがすごい。全く、普通ならイーストウッドがやるような派手なアクションを展開してやっつけていく。そして、ラストにはニックが警部補に昇進し、デビッドが新人の黒人女性刑事を相棒にさせられる。全く、おもしろいラストシーンだ。この余裕が、心地よい。



同じカテゴリー(2005年映画)の記事
殴られる男
殴られる男(2018-11-05 16:53)

ALWAYS 三丁目の夕日
ALWAYS 三丁目の夕日(2018-11-02 22:37)

私の中の消しゴム
私の中の消しゴム(2018-10-24 23:38)

私は死にたくない
私は死にたくない(2018-10-24 23:36)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
ルーキー
    コメント(0)