とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver

名匠クリント・イーストウッド監督が1996年のアトランタ五輪爆弾事件で犯人としてマスコミに吊るし上げられた主人公の物語を撮った。FBIが確たる証拠もないのに犯人として爆弾の第一発見者を追求していく、冤罪の生まれる不条理を描いている。20年以上前のことなのだけど、現在も一旦容疑者になるとマスコミに追いかけられて追われる。これは怖い。大衆心理ともつながっており、我々も他人事ではないのだ。

大学の警備員をしていたリチャード・ジョエル（ポール・ウォルター・ハウザー）は真面目に規則を守らせようとして、首になってしまう。いわゆる世渡りベタな人物である。そんな彼はアトランタ五輪で民間の警備員として仕事をしていた。野外コンサートの会場で警備をしていたリチャードは、不審な荷物を見つけて警察に通報する。最初は相手にされないけど、本物の爆弾だとわかる。急いで避難されている最中に爆発が起きる。100名以上の負傷者が出て、2名が死亡した。

少ない被害で済んだのはリチャードのおかげだったけど、証拠が全く無い。そこでFBIはプロファイリング手法で犯人像を割り出し、よりによって多くの人々を救ったリチャードを容疑者として考え出す。とくダネが欲しい地元記者のキャシー・スクラッグス（オリヴィア・ワイルド）は強引な手法で容疑者の名前を聞き出して、報道してしまう。すると、アメリカ全土から注目されてマスコミが自宅へも押し寄せる。

リチャードは旧知の弁護士ワトソン・ブライアント（サム・ロックウェル）に助けを求める。起訴されていない段階で無実を証明するのは捜査陣との戦いになる。爆破予告の電話をリチャードが物理的に掛けられないとわかるが、FBIは複数犯の可能性という言い訳で証拠ではないとする。弁護士が強い立場であるアメリカではこういうケースも起きるかもしれないけど、日本では難しいかと思う。

マスコミの餌食になるのは本当に嫌なことだと思った。本格的な社会派ドラマを見たい方にお勧めしたい。

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