ミッドウェイ

ローランド・エメリッヒ監督が20年間の調査の上で、史実に忠実に再現した。実際に戦闘機同士の戦いでは、自分が操縦席にいるような感じになった。さらに、空母をめがけて爆弾を落とすには間際まで近づくので、対空砲火がすごい。日本側も米国側も多くの犠牲を出して、死力を尽くして戦った。日本側は空母をすべて失うという多大な損失を被る。日米双方向から描写されているので、偏りがない。それと、米国側の市民生活が豊かであるのに驚いた。

真珠湾攻撃で米海軍に大きな打撃を与えたが、空母エンタープライズ・ホーネット・ヨークタウンは残っており全滅というわけではなかった。一方、日本軍は最初陸軍を南方に送る役割を行っており、米国の太平洋艦隊には一部の者だけが脅威に思っていた。海軍と陸軍の勢力争いみたいなものが感じられる。山本五十六は戦争初期に米国本土も空襲するくらいの先制攻撃しか勝機がないと考えていたので、いよいよミッドウェイでの海戦に乗り出す。

米国側は日本がどこに来るのか最初わかっておらず、ワシントンの連中は暗号解読部隊の役割を重要視していなかった。ところが、実際にミッドウェイ近海で日本艦隊が発見されると、日本の無線傍受に多くの人員を投入する。最初は信用されないがだんだん本当なのだとわかるのが、痛快である。

米軍のエースパイロット、ディック・ベスト(エド・スクライン)が対空砲火の中を急降下する様子は、すさまじい。奇跡的に2隻の空母に爆弾を投下することに成功する。彼を待つ妻子の心配する様子もしっかりと描いており、感情移入させられた。

この戦いはどちらが勝ってもおかしくないくらい両方が必死でやっている。臨機応変の対応ができる米国が少しだけ有利だったのかもしれない。米軍側の描写が丁寧なのは、仕方がないと思う。日本側でおかしな描写は全くなく、よくそこまで調べたなと思った。これは、劇場で見ないと迫力が味わえないと思う。こんな悲惨な犠牲者が多く出る戦争は、無意味だとよくわかる。星5個。

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