パラサイト 半地下の家族

「殺人の追憶」や「グエムルー漢江の怪物」のポン・ジュノ監督が脚本も担当して映画化した作品だ。カンヌ映画祭でパルムドールを獲得して米アカデミー賞でも作品賞にノミネートされている。裕福な家族と貧乏な家族の争いという感じもあるけど、裕福な家族に寄生してなんとかのし上がろうとする争いだ。終盤にかけての血みどろのやり合いはやりすぎな感じもするけど、この監督ならありえる内容だった。韓国社会の格差社会の実態を浮き彫りにしているようで、映画としては完成度が高い。好き嫌いは別れるだろうけど。

窓が半分地下にある家に住んでいる一家は家族全員が定職を持っていない。父ギテク(ソン・ガンホ)は失業中、母チュンスクは元ハンマー投げの選手。息子のギウは大学受験に失敗が続いている。兵役前後に受験に失敗した。美大を目指す娘ギジョンは勉強中だ。そこへギウの友人から裕福な家庭の家庭教師の依頼が舞い込んでくる。ギウは高校生の娘の英語の家庭教師になり、娘のギジョンは小学生の坊っちゃんの美術の教師になる。また、父は運転手になり、母は家政婦になる。

見事に裕福な家庭に入り込んだ貧乏一家だが、思わぬところに秘密が隠されていた。韓国の裕福な家庭には核シェルターが地下にある。その地下にずっと家政婦をしていた女性の夫が潜んだいたのだ。これはスリラーの様相を呈してくる。

金持ち一家がキャンプに出かける。貧乏一家は留守宅で自分の家のようにリラックスして、飲めや食えやの宴会を始めてしまう。このどんちゃん騒ぎが笑ってしまう。またずっと家政婦をしていた女性が地下に閉じ込められている夫を救おうとやってくるのだ。無下に断れないので彼女を入れてしまったから大変だ。寄生一家同士の生存競争が始まる。

いやはや、やりすぎではあるよ。でも、どこか現実離れしていてファンタジーみたいな雰囲気もある。どんなに貧しくても心はきれいでいたいなあと思った。

トラックバック URL
https://torachangorogoro.blog.fc2.com/tb.php/465-5efe4aed


同じカテゴリー(2020年映画)の記事
新解釈・三国志
新解釈・三国志(2020-12-17 16:09)

罪の声
罪の声(2020-11-14 19:42)

ミッドウェイ
ミッドウェイ(2020-09-16 12:01)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
パラサイト 半地下の家族
    コメント(0)