犬神家の一族(2006)

2007年01月21日 20時50分
1976年に市川昆監督が作ったオリジナルをほとんど全部同じ設定で、30年後に製作したセルフリメイクだ。主役の金田一耕助役の石坂浩二は、また同じ役で演じている。わては30年前のオリジナルを見ていないので、新鮮な気持ちで見ることができた。今回の配役で注目すべきは、姉妹役で登場する富司純子、松坂慶子、萬田久子のベテラン女優である。特に富司純子は、なかなかの熱演をしている。そして、わてが思ったのは強い女と母親の強欲だろうか。現在の社会に通じることなのか、昔からそうなのかわからない。ただ、全体的な印象はデジタルリマスターをして、配役を変えただけということも思った。

昭和22年信州の犬神財閥の総帥犬神佐兵衛(仲代達矢)が、大往生を遂げる。全国的な企業に育てて、莫大な遺産を残して亡くなる。正妻はおらず、腹違いの娘松子(富司純子)・竹子(松坂慶子)・梅子(萬田久子)の三人の娘がいた。それぞれの娘の子供は、佐清(すけきよ:尾上菊之助)・佐武(すけたけ:葛山信吾)・佐智(すけとも:池内万作)とすべて息子だった。また、佐兵衛の恩人の娘の野々宮珠世(松嶋菜々子)が、屋敷に同居していた。

地元の弁護士の古館(中村敦夫)は遺言状を預かる。その遺言状は、三人の息子や一族が揃わないと開封されない決まりになっていた。古館の助手の若林(嶋田豪)は密かに遺言状の内容を知り、名探偵の金田一耕助(石坂浩二)を東京から呼ぶ。金田一は、柏屋という旅館に泊まる。その旅館の女給は、はる(深田恭子)だ。遺言状が公開される前に、金田一を招待した若林が何者かに殺される。警察も駆けつけるが、全く犯人がわからない。

戦後行方不明になっていた佐清を松子が連れてきて、遺言状が公開される。でも、その内容は「三人の息子の誰かが、野々宮玉世と結婚するという前提で全財産を玉世に譲る」というものだった。つまり、三人の娘たちは何の相続も得られないということだ。この奇妙な内容の遺言が、犬神家での連続殺人を招く。ここからは、映画を見てのお楽しみだ。

ここから、三件の殺人事件が起きる。その発生を金田一探偵は、防ぐことができない。突っ込みどころはたくさんあるが、それに文句を言っても仕方がない。この映画は、莫大なお金を掛けて作ったリメイクデジタルリマスターなのだ。その中でも、母親の怨念というか、子供に対する愛情の深さは変わらないのだ。特に、富司純子の熱演に注目して欲しい。


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