男はつらいよ 寅次郎紅の花

2007年3月29日 21時50分
1995年(平成7年)公開、4回目の浅丘ルリ子をマドンナに向かえリリーを演じて、渥美清の遺作となった第48作目の作品だ。1969年に始まった「男はつらいよ」シリーズの締めくくりにふさわしい内容で、26年間で48作の最後を飾るようにすばらしい映画だ。寅さんの甥っ子満男(吉岡秀隆)もずーっと子役から続けてきて、この作品で見事に大人の男になる。このシリーズはNHKBSの「男はつらいよ」シリーズで見たが、特集番組でも紹介されたように最後のこの作品を撮影する時も、出演者たちは彼の体調の異常に気が付いていた。でも、どこまで病気が進行しているかは、黙っていたようだ。記念碑的作品なので、必見だ。

タイトル前の寸劇はない。でも、新聞の尋ね人欄に「寅、みんな心配しています。連絡ください。さくら」と広告を出す。とらやの人々は、寅さんが身元のわかるものを何も持っていないことを知っていたので、一年近く連絡がないのを心配していた。そんな1995年の一月、阪神淡路大震災が起きる。大震災から8ヶ月経過して、村山首相が神戸を慰問した時の映像がテレビで放送されると、首相の隣に寅さんが写っていた。つまり、8月の今は消息不明だが、1月の震災直後はボランティアとして神戸にいたということだ。

そんな時、とらやに神戸長田区のパン屋(宮川大助)がやってくる。寅さんには震災の時にお世話になったというのだ。でも、芸者上がりの女性と知り合ってどこかに行ってしまったという。その後、満男(吉岡秀隆)の同級生だった泉(後藤久美子)がやってくる。泉は満男に、お見合いをして医者の卵の人と結婚するという。しかし、満男は「おめでとう」としか言い返すことができず、別れてから悔し涙を流す。さくらは泉を送り、「満男はふられちゃったのね、だめね」と言う。

満男はその日から行方不明になって、三日後泉が結婚式を挙げている岡山の津山に来ている。そして、泉が乗るタクシーの正面から車をぶつけて、縁談をぶち壊してしまう。その後満男は、沖縄の宮古島からさらに離れた島にやってくる。そこで、満男はリリー(浅丘ルリ子)に拾ってもらい、寅さんとめぐり合う。満男は小さい頃から伯父さんの失恋話を全部知っていて、リリーにばらしてしまう。三人は昔話に花が咲き、満男も元気になる。寅さんは「男は引き際が肝心だ」というが、リリーは「格好悪くてもいいから、気持ちを伝えて欲しい」と主張する。

結婚が破談になった泉は、とらやに来て満男の居場所を聞く。そして、泉は飛行機で宮古島に行く。泉と会った満男は、「どうしてあんなことをしたの」と聞かれて、「愛しているから」を答える。満男と泉は、それぞれの実家に戻り交際を始める。また、寅さんはリリーを連れてとらやに帰ってくる。柴又中が大騒ぎになって、寅さんとリリーを迎える。若い二人は幸せになれるが、寅さんがどうなるのかは映画を見て確かめて欲しい。


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