ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ/完全版

2007年01月12日 14時05分
監督作が7本しかない名匠セルジオ・レオーネの遺作だ。1984年に公開され、アメリカを舞台にユダヤ系マフィアの半生を描いた、一大叙事詩的な大作だ。わては、BSで放送された3時間49分の完全版を見た。マカロニ・ウエスタンでイーストウッドを大スターにしたことでも知られているレオーネだが、本作は映画を語るものにとっては必見の傑作だ。題名の意味は、「アメリカでのある一瞬の出来事」という感じだろうか。まさに、アメリカの禁酒法時代から戦後の黄金期までのギャングの人生を通じて、描いたアメリカ史そのものだ。ロバート・デ・ニーロの体重までコントロールした演技は、同じ人間かと疑うほどだ。見るには苦労するが、見た後の充足感は格別だ。エンリオ・モリコーネの音楽も、それだけでも聞く価値がある。

ヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)を追いかけてギャングたちが、寝室になだれ込んで来る。ヌードルスは、逃げてチャイニーズ劇場に行く。彼は、そこからも逃げて駅に行き541番のロッカーを開けるがカバンには金はなかった。ヌードルスはマックス・パトリック・フィリップの三人の無謀な計画を止めるために、警察に密告をしたのだ。。町に居れば命を狙われるので、1ドル20セントの片道のバスの切符を買い逃げる。それから、30年後60歳を過ぎてヌードルスはニューヨークに帰ってくる。何者かから呼び出しを受けて、ロッカーを開けるとカバンにはぎっしりと札束が入っていた。そして、これから依頼する仕事の報酬だとメモがあった。

1920年代の禁酒法時代、裏酒場から発展したファット・モー(ラリー・ラップ)の店に行くと細々と商売をしている彼がいた。ヌードルスはそこで、裏切った三人がユダヤ人墓地に丁重に葬られていることを知る。そこから、映画は子供時代の回想シーンに入っていく。1907年生まれのヌードルスたちは、マックス(ジェームズ・ウッズ)・コックアイ(ウィリアム・フォーサイス)・パッシィー(ジェームズ・ヘイデン)らと悪がきで育っていた。最初はギャングのお手伝いをしていたが、そのうちに自分たちで自立しようとする。

禁酒法の時代だったので、酒を運ぶのがなかなか難しかった。そこで、ヌードルスたちは酒の箱を塩の袋で海中に沈めて、塩が溶けて浮き上がってきたものを回収する方法を思いつく。それで、4人は羽振りが一気によくなるが、バグジーという兄貴分の襲撃を受けて一人の子分が殺される。ヌードルスはナイフで反撃して、相手を殺してしまう。そこで、ヌードルス一人が刑務所に入る。数年後、出所したヌードルスを迎えたのでは、葬儀社をしているマックスが迎えに来る。

子供の時の憧れの女性だったデボラ(ダーラン・フリューゲル)は女優を目指して、西海岸へ旅立ってしまう。その別れは、後味の悪い惨めな別れになった。そして、ヌードルスが刑務所の中にいる間に、残りの三人は組織と結びついて彼の知らない色々な方面と密接な関係を構築していた。そんなことを知らないヌードルスは、昔からの考えを変えずに、徐々にすれ違うようになる。真相を追究していくうちに、ヌードルスは政界や労働組合関係の闇の部分を知っていく。ラストシーンは、なんともはっきりしない終わり方だ。でも、わては色々な解釈ができる余韻があって、好きだ。



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