ジュリー&ジュリア

上映終了最終日に、TOHOシネマズららぽーと磐田で見た。お前は毎日映画を見ているかと言われそうだが、昨日は試写会に当選したまれな機会だった。昨日見た「恋するベーカリー」でも、メリル・ストリープが主演だった。ゴールデングローブ賞を受賞したと聞いているけど、それに値する演技だと思う。同じ女優が演じているのかと疑いを持つほど、二作品を続けてみると怪演だ。

この映画は、50年前の外交官の妻ジュリア・チャイルド(メリル・ストリープ)がフランス料理本を英語で出版した物語と、現代のニューヨークで彼女の料理本にある524レシピを一年間でブログに書いたジェリー・パウエル(エイミー・アダムス)の物語が平行して描かれている。その彼女たちを支えるそれぞれの夫、ポール・チャイルド(スタンリー・トゥッチ)とエリック・パウエル(クリス・メッシーナ)がいる。さらに、ブログを書いているジェリーの影には、ネットの向こう側の読者がいる。

監督・製作・脚本と活躍したノーラ・エフロンの才能は、なかなかのものだと思う。特にいいのは、2002年のブログを書いているジュリーの物語と50年前のジュリアの物語の切り替え具合だろう。1949年に外交官の夫とともにパリにやってきたジュリアは、身長185cmで甲高い声の持ち主で性格が明るい。男性しかいない料理学校ル・コルドン・ブルーに入り、困難に打ち勝って卒業してしまう。

一方、2002年ニューヨークのクイーンアベニューのピザ屋の二階に越してきたジュリーは、グランドゼロ再開発や苦情担当の電話オペレーターをしている。ストレスがたまる職場で、家に帰るとただ寝るだけの生活を送っている。そんなジュリーが現状打開のために始めたのが、ブログにジュリアのレシピ524個を1年間で書いてしまうという課題だった。

二つの物語とも実話なのだが、色々な難題が降りかかってくる。ジュリアの方は、共同執筆者がさぼりがちになったり、マッカーシー旋風吹き荒れる政治問題で夫が頻繁に転勤させられる。ジュリーの方も、どうしても苦手な料理があったり、ブログに書いてはいけない問題が浮上したりする。

ここでわてが興味深いと思ったのは、ブログには写真がなくて文字だけで表現しているということだ。プライベートなことを書くと、職場や家族に迷惑がかかるのは今も同じだ。ところが、料理のブログなのに2002年当時は文字だけで表現していた。これは、表現することの本質を突いていると思う。

もう映画館で見ることが難しいかもしれないが、お勧めの映画になった。見るのが遅かったので、記事を書くのが遅くなってしまった。同じメリル・ストリープ主演作ということでは、「恋するベーカリー」はコメディでありこちらは感動のドラマだろう。



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この記事へのコメント
TBありがとうございました。
こちらかもTBさせていただきましたところ、なんかまちがって、三回も送信してしまいました。
大変失礼いたしました。
誠に申し訳ありませんが、一個だけ残してあと二つ削除していただけたら、とてもありがたいです。
本当に申し訳ありません。
Posted by 白木庵 at 2010年02月06日 19:45
白木庵さん、わかりました。
ありがとうございます。
さっそく、そのようにします。
よろしくどうぞ。
Posted by とらちゃん at 2010年02月06日 20:16
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