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わてはうつ病ですが、それを受け入れて前向きにゴロゴロと暮らしています。映画関連の情報は、わてのHPを参考にしてください。映画のことでお役に立てれば幸いです
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2009年12月27日

空気人形

浜松のシネマイーラで見た。映画祭やマスコミで話題になった作品で、やっと浜松に来た。ありがたいことだ。是枝裕和監督の最新作で、ネットでの評判もいい。非常に楽しみにしていたけど、その期待以上の一筋縄ではいかない濃い内容の映画だった。空気人形(ラブドール)が心を持ってしまう物語で、その周辺にいる人間たちの孤独感やゆがんだ心の中身を描いていく。空気人形が心を持ち学習すればするほど、他の人間が人間らしくなくなる。現代人なら誰でも持つであろう、悩みをこんな表現方法で描かれるとたまらない。

ファミレスの従業員秀雄(板尾創路)は、東京の川沿いの下町に住んでいる。夜遅く帰宅して、コンビニで買い物をして一人暮らしのアパートに帰る。そこには、しっかりと洋服を着た空気人形(ペ・ドゥナ)が待っている。あたかも恋人に話しかけるように秀雄は彼女と会話をして、食事をして風呂に入りいっしょに寝る。洋服を着せて公園にいっしょに出かけてしまうのだから、相当のキャリアだと思う。ある日、空気人形は心を持ってしまい、窓の外に手を伸ばしてみる。

すると、水が気持ちよく太陽の光が美しい。秀雄が仕事に行っている時間、外を出歩くようになった人形は色々な人に出会う。新聞で報道される重大事件の犯人だと交番に行く未亡人(富司純子)やもう若い娘にはかなわないと思っている受付嬢(余貴美子)、戻らない母親を待つ小学生萌(奈良木未羽)とその父真治(丸山智己)。そして、レンタルビデオ店の店員純一(ARATA)と店長鮫洲(岩松了)だ。

純一が親切にしてくれたので、彼女はそこに通いやがてアルバイトで働き始める。もちろん、秀雄が帰る時刻には部屋に戻っている。自分でお金を手に入れて時間ができると、彼女は色々な場所に遊びに行ったりして生きるのが楽しくなる。そして、純一と250ccのスクーターに乗って遊ぶようになる。純一に気に入れられたくなって、彼女は自分のことを偽るようになる。

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Posted by とらちゃん at 15:52Comments(2)TrackBack(28)2009年映画

2009年12月24日

アバター、字幕版3D

ジェームズ・キャメロンが「タイタニック」以来、取り組んできたプロジェクトがこの実写フル3D映画だ。今までの3D映画よりも、映像の質が一段と高いような気がする。これは、おそらくアカデミー賞の技術部門の賞をいくつか受賞すると思う。撮影賞とか特殊効果関係や造形部門でも、受賞するだろう。2時間40分くらいの上映時間は、多くの情報量のために決して長くない。パンドラという遠い宇宙の星を舞台にしたSF作品だけど、世界観をすべて考えて作ったのだ。肝心の物語がよくある内容になっても、それを責めるのは野暮だ。

22世紀の未来、人類の住む地球は緑を失い宇宙に生活の場を求めていた。元海兵隊員のジェイク(サム・ワーシントン)は下半身不随で車椅子生活を送っている。そんな彼は、5年くらいの冷凍睡眠から起きる。やっとのんびりとした生活を送ることができると思ったら、双子の兄が亡くなりその交代要員に指名される。兄が地球からかなたのパンドラという衛星で、アバタープロジェクトのメンバーだったのだ。

高報酬と不自由な足の治療を約束されて、ジェイクはやる気満々でやってくる。アバターというのは、人間が呼吸障害を起こす大気のある星で生活できるように現地住民のナヴィの体を持ち、精神は人間という存在だ。特殊な遠隔装置に入ることによって、ナヴィの身体を持ってパンドラで生活できるというわけだ。

人間の目的は、ナヴィ族が暮らしている土地の地下に眠っている希少鉱物を手に入れることだった。グレイス・オーガスティン博士(シガニー・ウィーヴァー)を中心にしたチームは、ナヴィ族と交流して平和裏にその鉱物を入手しようとしていた。ところが、海兵隊出身のマイルズ大佐(スティーブン・ラング)たちは、ジェイクに偵察をさせて武力でナヴィたちを退去させようとしていた。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 21:23Comments(2)TrackBack(74)2009年映画

2009年12月21日

のだめカンタービレ最終楽章前編

テレビドラマ「のだめカンタービレ」を、全編ヨーロッパロケで映画化した作品だ。指揮者千秋先輩(玉木宏)とピアニストのだめ(上野樹里)を中心に、クラシック音楽を題材に大ブームを起こしたドラマが映画になった。原作の漫画は二ノ宮知子で、監督はドラマの演出をした武内英樹だ。クラシック音楽をテーマにした映画は「アマデウス」や「戦場のピアニスト」や「奇跡のシンフォニー」など、真正面からまじめに描いた作品が多い。でも、これはコミカルなタッチを残した半分お笑いの、クラシック音楽をテーマにした映画だ。特にのだめ(野田恵)のおおげさな感情表現が受け入れられないと、見るのが苦痛になるだろう。

わてはドラマも時々見ていたし、スペシャル版も見た。竹中直人演じるフランツ・シュトレーゼマン自体が、あり得ない音楽家だろう。でも、登場するキャストがどこにでもいる普通の人間と似ていればいるほど、この映画の世界が身近に感じられる。登場人物は身近ではあるが、千秋真一の指揮者の動作やのだめのピアノ演奏やヴァイオリンやオーボエの演奏演技は、相当の練習をしたという成果がわかる。特に千秋の指揮ぶりは、プラティニ国際音楽コンクールで優勝争いをしたジャンよりも、格段にうまい。

音楽コンクールで優勝したからといってすぐに仕事があるとは限らないのは周知だが、千秋の場合はなかなか過酷な条件が待っている。パリ在住でギャラの安い指揮者というだけで、「ルー・マルレ・オーケストラ」の常任指揮者に指名される。常任指揮者という地位が簡単に得られるわけがないのだが、それなりの理由があった。資金不足・練習不足・力量低下・人気低下という悪循環に陥っている、貧乏オケだったのだ。

最初のラヴェルの「ボレロ」をあれほど、下手に演奏するのは見事だと思う。チェコのブルノ・フィルハーモニックやウィーンにあるフラテツ・クラーロヴェーフィルの協力を得て、実際のコンサートホールでロケをしている。その製作者の本気度が、画面を通じて痛いほど伝わってきた。のだめのトルコ行進曲もいいけど、千秋が最後に指揮するチャイコフスキーの「1812年」がすばらしい。

のだめと千秋の恋模様も気になるが、千秋がダメダメオーケストラを変化させる過程がいい。ファゴットの古い形の楽器バソン奏者がいたり、頑固一徹のバンドマスターが存在感を見せている。次回作につながる終わり方も、のだめの成長を予感させる。後編を見るのが、楽しみだ。  

Posted by とらちゃん at 22:36Comments(2)TrackBack(31)2009年映画

2009年12月18日

THE 4TH KIND フォース・カインド

アメリカのアラスカ州ノームと言う町で、2000年10月にアビゲイル・タイラーという女性心理学者が体験した奇妙な事件を、当時の記録映像を織り交ぜながら描いたサスペンス映画だ。この映画を見るのに注意してほしいのは、あくまでもドキュメンタリーベースの映画ではなくフィクションとして見た方がいいということだ。ミラ・ジョヴォヴィッチがナビゲーター役兼主演を演じているが、彼女の演じたアビゲイル・タイラーという女性が実在したという証明はされていない。どういうことかというと、アラスカ当局の見解では存在しないのだ。

でも、アラスカ州で未解決の失踪事件の発生件数は非常に多い。1960年代以降FBIが調査を行ったのが2000回以上というのは、本当なのだ。IMDB(THE FORTH KIND)のTriviaの項目を読んでほしい。全部英語だけど、ユニヴァーサルが地元ジャーナリストとの討論会を拒否していることや記録映像の信憑性にも疑いがあると書かれている。

そんなマイナス要因があるこの映画だけど、不眠症が白夜の多い地域で多いのは事実だ。だから不眠症の治療のために、催眠療法を使うケースもあるだろう。そんな治療場面で、この映画のような悲劇が起きてもおかしくない。1st目撃、2nd痕跡、3rd接触、4th○○という段階を進んで、例の脅威が人類に迫っているというお話は興味深い。

アビゲイルの娘アシュレイがどうなったのか、息子のロニーが母親をなぜ信じないのかとか、色々疑問が残る。でも、取り上げる事例を絞り込み、シュメール文明の古代文字を絡ませるなど演出が工夫されている。今の科学や考古学ではわからないことが、まだまだ世の中には多いのだ。こういう映画は、全くのナンセンスではない。未知のことがすべてフィクションではない。  

Posted by とらちゃん at 22:51Comments(0)TrackBack(22)2009年映画

2009年12月16日

ONE PIECE FILM ワンピースフィルム STRONG WORLD

週間少年ジャンプに連載されている「ワンピース」という漫画を、わては全く知らない。単行本も見たことがない。尾田栄一郎という原作者も全く知らなかった。その原作者が、製作総指揮・ストーリー書き下ろし・クリチャーデザインなどを担当して出来上がったアニメ映画だ。

全く知識がないわては、今までの既存の漫画やアニメの世界を突き抜けた爽快感を感じた。登場するキャラクターは、どの漫画にもない独特のものでその使う技も真似ができない。空中に浮かぶ島を見たとき、どこかで見たとも思ったがこちらがオリジナルだろう。高校生や中学生がなぜ好きなのか、わかる気がした。

帆を装備した船なのに、空を飛ぶことができる不思議な技術を持った海賊船に乗ったメンバーは非常に個性が豊かだ。モンキー・D・ルフィはゴム人間で、手足を伸ばしたり膨らめさせたりして戦う。ロロノア・ゾロは剣の達人、ナミ(女性)は風を読むのが得意な航海士。ウソップはパチンコの名手、サンジは料理人。チョッパーは船医。ニコ・ロビンソン(女性)は考古学者。フランキーは全身サイボーグで、バイクの運転が得意。ブルックは骸骨だけど、動きがいい。

海の底にある刑務所を脱獄した伝説の海賊”金獅子のシキ”は、足が剣で頭には舵が刺さっている。物を空中に浮かべたり、自分自身も重力の束縛を受けないようだ。シキの海賊船は飛行船のように空を飛び、最新の技術を持っていた。彼の目的は世界制覇であり、イーストブルー(東の海)を滅ぼそうとする。その目的のために、ルフィ一行に接近して弱点だった航海士を補充しようとナミを誘拐する。

ナミを誘拐されたルフィ一行は、空に浮かぶ島に放り出される。そこには、見たこともない動物や人間らしい人々が暮らしている。ストーリーはしっかりと起承転結があり、敵の強さが並大抵ではない。簡単に登場人物が死なない設定や見せ方も、工夫している。映画館のスクリーンを飛び出るほどの技の数々は、3D映像よりも工夫されている。物語と世界観は、ほんとうに突き抜けていて爽快だ。  

Posted by とらちゃん at 22:18Comments(0)TrackBack(16)2009年映画

2009年12月12日

パブリック・エネミーズ

大恐慌時代に実在した強盗を題材にした映画というと、この間見たばかりの「ボニーとクライド・俺たちに明日はない」を思い出してしまう。また、アンチヒーローものの作品としては「イージーライダー」や「明日に向って撃て!」が、どうしても比較の対象になる。例にあげた映画はアメリカン・ニュー・シネマの代表的作品で、映画史に残る名作だ。それらと比較しては気の毒だけど、1933年から一年間アメリカで暴れまわった伝説的銀行強盗ジョン・デリンジャーが題材なのだから仕方ない。

マイケル・マン監督・製作・脚本で、ジョニー・デップを主演にしたのだ。どうしても期待して見る。衣装も使用されている車も見事に再現された。デリンジャー役のジョニーデップは、すばらしい演技をしている。ところが、物語の主軸がはっきりとしない。

恐慌で職がなく銀行強盗しかやることがなかったのか、銀行家たちだけが富を独占していたのか、デリンジャーの恋人になるビリー・フレシェット(マリオン・コティヤール)との過酷な運命やマフィアから見捨てられた犯罪者の悲哀を描きたいのか、はっきりとしない。というのは、それらの要素が全部含まれているから困ってしまう。

1924年から72年まで8代の大統領に仕えた連邦捜査局のフーバー長官(ビリー・クラダップ)が、大変若いのが興味深い。FBIの組織が確立する前の出来事で、デリンジャーの犯罪が州を越えたので法律が改正された。わては、最初隠れ家や武器を提供していたマフィアがデリンジャーたちに見切りをつけるエピソードに感慨を覚えた。そういう観点からこの映画が作られていたら、時代にあった内容になっていたと思う。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 23:47Comments(0)TrackBack(44)2009年映画

2009年12月07日

カールじいさんの空飛ぶ家3D日本語吹き替え版

次々とヒット作を送り出すジョン・ラセターが製作総指揮になり、「モンスターズ・インク」のピーと・ドクターが原案・脚本・監督、ボブ・ピーターソンが原案・脚本・共同監督で作り上げたアドベンチャー・アニメの3D版だ。長年連れ添った妻を亡くして孤独になり、思い出がいっぱい詰まった家が再開発で立ち退きを求められたとき、老人が奇想天外な方法で旅に出る物語だ。カールじいさんは愛する妻がいる間は幸福だったけど、一人きりになって世間の人を寄せ付けなくなる。孤独に凝り固まった老人の、人生の再出発の物語になっている。

先に公開された「クリスマス・キャロル」はけちなスクルージの人生の再出発の物語であったが、この作品は冒険に出ることで持つことができなった子供とのふれあいや自然とのふれあいで、人生を見つめなおす映画なのだ。実によくできた脚本で、文豪ディケンズの物語に劣らない感動を呼ぶ。また、3D映像で空を飛ぶ体験をすることができて、夢のような絵を見ることができる。

子供の時におてんば娘だったエリーとそのぼろ屋で出会ったカールは、二人で冒険の夢で遊びながら大人になる。自然に二人は結婚して、そのぼろ屋を修理して住み始める。赤ちゃんを授かるが、流産して子供はいないまま歳を取る。年月が経過して、先にエリーがあの世に行く。一人残されたカールは、全く気力をなくして一人ぼっちの生活を送る。都市再開発で立ち退きを求められて、老人ホームに入らなくてはいけなくなる。でも、自由のない老人ホームよりも、カールは扱いに慣れた風船で家を空中に持ち上げて冒険のたびに出る。

偶然旅の道連れになるラッセル少年は、子育てができなったカールへの神様からの贈り物だ。子供との接し方のわからないカールは意思疎通を図るのが難しいが、冒険を続けるうちに協力しあうようになる。エリートカールが夢見ていた目的地は、南米ベネズエラ奥地にある979mの高さを誇るエンジェル・フォールがモデルになっている。映画では雲が下にあるので、3000mの標高のテーブルマウンテンとパラダイス・フォール(滝)という設定だ。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 17:03Comments(2)TrackBack(47)2009年映画

2009年12月05日

1/4の奇跡~本当のことだから

ドキュメンタリー映画初挑戦、全くの素人であった入江富美子が石川県の養護学校の先生山元加津子さんを主人公に製作した映画だ。ドキュメンタリーとはいえ、伊勢神宮へお参りにいった後の雪絵さんとのエピソードからマラリアやエイズを引き合いに出した終盤のまとめ方は見事なものだった。ドキュメンタリーであるので、嘘や架空の物語があってはいけない。その定石を踏み、産婦人科のお医者さんや遺伝子研究の権威を最後のまとめに持ってくるあたりは下手な脚本家顔負けだ。科学的な論拠に裏打ちされた「すべての命に意味がある」という主張は、感動の涙を流すしかなかった。すべての方に見てほしい傑作だと思う。

第二次大戦中、ナチスドイツの考え方の中にアーリア人が優れていて、それ以外の人類は劣っているという思想があった。実際に身体や精神に障害のある人々が迫害され、ユダヤ人が大きな困難に直面した。しかし、最新の遺伝子研究者はすべての生き物の遺伝子は同じ暗号でできあがっているという。DNAやRNAは、ウィルスから細菌や微生物、昆虫から動物や人間まで遺伝子を組み立てている。

アフリカのある村でマラリアが流行した。すべての村人が死亡するのかと危惧されたが、マラリアに罹病しない村人がいた。その村人のことを調べてみると、かま型赤血球の持ち主であった。そして、その村人の親戚を詳しく調べてみると、かま型赤血球を持った4分の1の人がなんらかの障害を持っていて、かま型赤血球を持った4分の2の正常な親戚がいた。そして、残りの4分の1の親戚は普通の赤血球を持ちマラリアに罹病していた。つまり、偶然に障害を持っている村人が、マラリアに罹病しない遺伝子の持ち主だった。

さらに、エイズの大流行という問題が海外では大きい。でも、エイズに掛からない人々が存在するという。その人々は、中世のスペインでペストの大流行を生き延びた祖先だったという。なぜそのようなことが起きるのかこの映画では説明されないが、400年前の大流行した疫病が現代の一大疾病であるエイズに対抗できる遺伝子を作り出したという。

以上のような科学的知見が紹介される前に、石川県の養護学校教諭山元加津子さん(がっこちゃん)と生徒たちのエピソードが、詳しく大部分の上映時間を費やして描かれている。色々な病気や障害を持って生まれてきた人間も、生まれたこと自体が奇跡なのだという。養護学校の生徒さんの色々な特徴の紹介が、非常に丁寧だ。若くして命を絶たれたがっこちゃんの知り合いが、「病気になって生まれてきて、幸せだった」と語る。その説得力の強さは、病気や障害への偏見や差別がいかに無意味か訴えている。

以下、夜の上映会だけの感動物語を加えます。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 23:06Comments(3)TrackBack(1)2009年映画

2009年12月03日

ブラッド・ワーク

昨日NHKBSで放送されていたクリント・イーストウッド製作・監督・主演の「ブラッド・ワーク」を見た。サスペンスタッチの犯罪ドラマで、イーストウッドが元FBI心理分析官を演じて猟奇殺人犯を追い詰めていく物語だ。これは、彼の刑事物のおなじみの内容だが、彼が心臓移植をされた患者だという点が大きい違いになっている。2002年12月に公開で、わては初見だ。翌年の「ミステック・リバー」は映画館で見たので、悔しいことをした。

テレビの小さな画面だと、どうしても緊迫感が伝わってこない。原作は犯罪記者出身の作家マイクル・コナリーの「わが心臓の痛み」という小説で、脚本は「LAコンフィデンシャル」のブライアン・ヘルゲランドだ。臓器移植というタイムリーなテーマと猟奇殺人を結びつけた興味深い題材で、非常に見ごたえのある作品になっている。映画館で見たかったと思う。

元FBI心理分析官のテリー・マッケイブは2年前、連続殺人犯「コード・キラー」を追跡中心臓発作で倒れて犯人を逃がしてしまう。任務を続けられる体調ではないので、退職して運よく心臓移植を受けることができた。そして、現在は港に係留されたクルーザーで生活していた。彼の隣には、バディという愛称のジャスパー・ヌーン(ジェフ・ダニエルズ)が同じような生活をしていて友人になっていた。そんなある日、グラシェラ・リバース(ワンダ・デ・ヘスース)という女性が尋ねてくる。

彼女は自分の妹の心臓がテリーの体に移植されたことを告げて、妹を殺した犯人を捜してほしいと頼む。彼女の妹はAB型のCMW陰性という珍しい血液型で、同じ病院で移植を受けたテリーの体にある心臓が妹のものだと主張する。その事実に驚いたテリーは、担当医のフォックス(アンジェリカ・ヒューストン)に確認を取る。それが事実だとわかったので、テリーは警察署や保安官事務所を回り独自の捜査を開始する。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 15:12Comments(0)TrackBack(1)2009年映画

2009年11月28日

理想の彼氏  痛手をいやして再出発

40歳専業主婦だった女性が夫の浮気でシングルマザーになって、24歳の青年との出会いと恋を描いたロマンティック・コメディだ。主演はキャサリン・ゼタ=ジョーンズで、相手役はジャスティン・バーサだ。アメリカで専業主婦でいられるのだから、経済的に相当恵まれていたのに夫の浮気でシングルマザーになってしまう。すぐに住む場所も仕事も手に入れることができて、若い男性と知り合ってしまう。全く理想のタイプではないが、深い仲になった時点で別れが来る。でも、ちょっとした巡り会わせでハッピーエンドが待っている。

なかなか、この映画は単純でない点がいい。何もかも恵まれた環境だったのに、ホームパーティーの最中に知り合いの女性と夫が浮気をする。これほどの、屈辱的な離婚も珍しい。サンディ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は相当怒り心頭で、ニューヨークに来る。住む場所を見つけて、二人の子供の子守役の青年アラム(ジャスティン・バーサ)も雇うことができた。そして、運よくスポーツ放送局への就職も決まる。

また、アラムも災難にあっていた。大学を出たばかりで、グリーンカード目当ての若い女性と結婚した。そして、すぐに逃げられてしまったので仕方なくカフェでアルバイトをしていた。そんなときに、サンディに子守として雇われたのだ。両親と同居しているので、肩身が狭く全く自信もない。

サンディは、友人のダフネから自分の年齢にあった男性を紹介してもらい、デートをする。友人の紹介する男性はある程度仕事もできて、収入もある。しかし、サンディは同年齢の男性の嫌な部分ばかりに目がついて、ストレスがたまってしまう。

そこで、ストレス解消セラピーに行くと、女性に殴られる役をしていたアラムに出会う。そこから、二人は意気投合するのだ。子供たちがませているのも、笑わせてくれる。ハッピーエンドになるのだが、ひと波乱あるのがいい。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 00:08Comments(0)TrackBack(15)2009年映画

2009年11月24日

ブラック会社に勤めているんだが、もう僕は限界かもしれない

2チャンネルに自分でスレを立てて、話題になった黒井勇人氏の「ブラック会社に勤めているんだが、もう僕は限界かもしれない」を映画化した作品だ。監督は、佐藤祐市だ。2チャンネルで何が話題になっているかわては知らないが、これからもこういう書籍化は続くのだろうか。ここでいうブラック会社というのは、まともな就業規則がない・横暴な上司がいて・従業員を兵隊として使い捨てる会社だ。この主人公のように、高校中退で8年間も引きこもりだった青年には判別は不可能だ。

小池徹平演じる大根田正男(おおねたまさお:マ男)は、8年間引きこもりであった。母が就職活動のためのスーツを買ってきてくれた帰りに、交通事故で亡くなってしまう。それを機会に奮起したマ男は得意のパソコンを生かしてシステムエンジニアの資格を取って、就職活動を始める。学歴や経験がないことが理由で、やっと引っかかったのが黒井システム株式会社だった。いかにも温厚そうな社長(森本レオ)が、話を聞いてくれてすぐに採用してくれた。

社員に紹介したまではよかったが、社長が去るとリーダーの阿部(品川祐)から怒鳴りつけられる。OJTでできない仕事も押し付けられて、昼もまともに食べられない会社生活が始まる。ガンダムマニアの木村(池田鉄洋)はリーダーの腰ぎんちゃくだし、お局様の瀬古さだ子(千葉雅子)は経理を掌握している。活舌の極端に悪い上原(中村靖日)は周囲の言いなりで、人格者の藤田(田辺誠一)は謎が多い。そして、派遣でやってきた中西亜矢子(マイコ)はまともかと思われたが、恋愛マニアだった。さらに、大手IT会社から転職してきた木村翔太(田中圭)は野心満々だった。

こんな会社にいきなり放り込まれたら、社会経験のないマ男君はすぐにやめるのが普通だ。でも、マ男君は高校でもいじめられてきて、ひきこもりになりやっと太陽の下に出てきて、簡単にくじけないと心に決めていた。学歴も経験もないがなんとか独り立ちしようと、徐々に人間的に成長していく。その過程が、時にユーモラスに時に厳しく描かれている。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 12:03Comments(0)TrackBack(21)2009年映画

2009年11月21日

イングロリアス・バスターズ

映画オタクであるクエンティン・タランティーノが、長年温めてきた脚本を第二次世界大戦のナチス占領下のフランスを舞台に映画化した。1941年にフランス占領をしたナチス・ドイツは、傀儡政権を作りユダヤ人を迫害した。第一章でフランスの田舎町までSSの将校が来るのは、よくあったことなのだろう。その登場シーンは、まさに西部劇のようだ。一人逃げ延びるショシャナ(メラニー・ロラン)のシーンも、西部劇にある。

この映画の秀逸な着眼点は、途中からナチス側が迫害される恐怖におびえる点だ。さらに、映画館の中にヒトラーらの幹部を集めて可燃性フィルムを使って劇場に火をつける。スクリーンの布から火が出るのは、すばらしい演出だ。映画の中でナチス幹部を抹殺して、外に逃げたユダヤ人ハンターのハンス・ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)だけを生かして捕らえる。アルド・レイン中尉(ブラッド・ピット)が、「軍服を脱げば罪が消えると思うのは間違いだ」と言う。歴史上の事実とは違うが、ユダヤ人を迫害したことは許さない。その主張が、マニアックな表現で描かれている。

この皮肉たっぷりの表現方法と、ドイツ人女優で二重スパイのブリジット・フォン・ハマーシュマルク(ダイアン・クルーガー)が登場してからの緊迫した演出がいい。地下のバーで落ち合うシーンが、迫力満点だ。特に、ショシャナが映画館経営者ミミューと名前を変えてドイツ軍の英雄フレデリック・ツォラー(ダニエル・ブリュール)と知り合って、自分の劇場とともにナチス・ドイツの幹部を燃やしてしまう計画が進行する。

二つの計画が一つに融合する脚本は、ほんとうによく考えたものだ。映画館を燃やすことによって現実との境界線を作ったと考えると、ワクワクしてきてしまう。1944年6月というのはノルマンディー上陸作戦が成功した時なので、フランスのパリの街中にはナチス幹部はいないのだ。映写技師のマルセル(ジャッキー・イド)が投げるタバコが飛ぶシーンは、ほんとうに名場面だと思う。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 23:59Comments(0)TrackBack(35)2009年映画

2009年11月21日

2012

「インディペンデンス・デイ」や「デイ・アフター・トゥモロー」で知られているローランド・エメリッヒ監督が、製作総指揮・脚本と担当して腕をふるったデザスター映画だ。今度はマヤ文明の予言を元に、62万年に1回来る地球滅亡を描いている。全米でも公開されて、興行成績トップを記録している。おそらく、日本でも連休中たくさんのお客さんが見に来るだろう。その期待は、全く裏切られることがない。ここまで壮大な災害を描いてしまうと、次は何をするのかと思ってしまう。

わてが感心したのは、ニュートリノ天文学という最新の宇宙物理学に理論を求めたことだ。小柴昌俊教授がノーベル物理学賞を受賞したスーパーカミオカンデでの研究成果が、映画に使われているのはうれしいことだ。ニュートリノというのは、太陽やそのほかの宇宙空間から地球に降り注ぐ宇宙線のひとつで透過性が高い。なんで地球のマグマに影響するのか詳しくわからないけど、太陽からのニュートリノが急激に増加する設定は興味深い。

2009年、地球物理学者のエイドリアン(キウェテル・イジョフォー)はインドの研究仲間から地下の温度が異常に上昇していると知らせを受ける。太陽からのニュートリノが異常に増加して、それが地球内部に影響しているのではないかと推測される。アメリカに戻ったエイドリアンは、大統領顧問のカール・アンヘザー(オリヴァー・プラット)に報告書を見せる。緊急事態に大統領トーマス・ウィルソン(ダニー・グローヴァー)は、G8の場でその事態を報告する。そして、ある国の山奥に避難施設の建設を極秘に始める。

その三年後、2012年ロサンゼルスでリムジンの運転手をしているジャクソン(ジョン・キューザック)は、別れた妻の家に子供たちを迎えに来てキャンプに出かける。ノア(リーアム・ジェイムズ)とまだおしめが取れない妹のリリー(モーガン・リリー)を大きなリムジンに乗せて、イエローストーン国立公園にやってくる。そこで、三人が見たのはフェンスが立てられて、池が干上がっていた大地だった。

軍隊がやってきて、立ち入り禁止だと言われたのでフェンスの外に出る。すると、ラジオ放送をしているチャーリー(ウディ・ハレルソン)に出会い、「地球の滅亡が迫っている」とか「一部の政治家たちが極秘に巨大船を作っている」という話を聞く。信じられない内容に半信半疑になったが、ロスに帰ってから巨大地震の襲来に家族を救おうとジャクソンが行動を始める。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 00:05Comments(0)TrackBack(37)2009年映画

2009年11月17日

Disney'sクリスマス・キャロル3D日本語吹き替え版

チャールズ・ディケンズ原作の同名小説を、「ポーラー・エクスプレス」のロバート・ゼメキス監督が製作・脚本も担当して映画化した。パフォーマンス・キャプチャーという俳優の顔の表情を映像化する技術を使って3D化された映像は、まるで実写のようなリアルさを見せつけた。特に3人のクリスマスの精霊と守銭奴スクルージの体験するシーンが、3D映像ならではの見ごたえを持っている。原作の完成度の高さはご存知のとおりなので普通に作れば秀作になるが、画期的な映像表現が付加されて傑作になっている。

映画会社の考えで、3D映像が見られるのは日本語吹き替え版だけだが全く不自然ではない。山寺宏一らの声優陣がいいので、失望することはない。できれば英語のせりふで、3D映像を見たかった。1843年ごろのロンドンという設定らしく、貧富の差が激しい社会状況が詳細に描かれている。「オリバー・ツイスト」でも描かれていた孤児も出てくるので、記憶にある映像が見られた。

キリスト教社会ではクリスマスは家族で揃って祝うもので、「メリークリスマス」と言わないスクルージはよほどの変人だろう。さらに長年貸金業を共同経営してきたマーレイが死亡して葬儀を行うときに、葬儀社へのチップをケチったりマーレイの両瞼を覆う銅貨も取り上げてしまう行動は神をも恐れないものだ。当時の葬儀は葬儀社が都市郊外の墓地に埋葬するので、故人の家族が埋葬に立ち会わない場合もあった。それから、7年後のクリスマスイブがやってくる。

甥のフレッドがクリスマスイブの食事に誘いに来ても悪態をついて断り、寄付を頼みに来た紳士二人には「貧乏人が死ねば、人減らしになっていい」と言う。また、唯一の使用人で事務員のクラチットには長年給料を上げないし、クリスマスでうれしそうにしていることに嫌味を言う。そんなスクルージは、大邸宅に帰っていくが、全く飾り気がない寂しい屋敷だった。  続きを読む

Posted by とらちゃん at 15:26Comments(0)TrackBack(31)2009年映画