シャーロック・ホームズ

ジェレミー・ブレットのホームズを見慣れた自分にとっては、このロバート・ダウニー・Jrとジュード・ロウの「シャーロック・ホームズ」が原作に近いと言われると驚いてしまう。アーサー・コナンドイルの物語にもとづいて作られたオリジナルの脚本で、拳闘が得意なホームズは新鮮だ。ロンドンのベーカー街221番地Bに住み、家主のハドスン夫人が出てくるのもおなじみの設定だ。「ハリー・ポッター」を撮影したセットも利用されているということで、19世紀末の産業革命の真っ最中のロンドンが忠実に再現されている。

アメリカが南北戦争を終わらせて、西部開拓やゴールドラッシュを迎えて国力が上がっていると時代だ。イギリスも産業革命の恩恵で富んでいたが、最盛期から他国の発展に押されていく時代だ。ロンドンは都市化が進んで、犯罪も多数発生していた。現代の先進国はどこもこういう状況が、見られるので古い時代の絵空事ではないだろう。若い女性が連続して殺害される事件が発生して、シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr)と助手で医者のワトソン(ジュード・ロウ)が捜査に乗り出す。

犯人はブラックウッド卿(マーク・ストロング)だとわかり、逮捕される。黒魔術を操る不気味な正体を持つブラックウッド卿は、一旦絞首刑に処されて墓に葬られる。でも、「すぐに復活する」という予言どおり、墓からよみがえったという知らせが入る。墓を掘り返してみると、中には全くの別人が眠っていた。なぞの女性アイリーン・アドラー(レイチェル・マクアダムス)も登場して、ホームズたちを監視するような行動をする。

ブラックウッド卿が第五修道会という秘密結社の乗っ取りを計画して、世界を支配しようともくろむ。牢に入れられているのに、看守を狂気に至らしめたり絞首刑になったのにほんとうに生き返ったりする。その秘密結社の計画に反対するアメリカ大使を、なぞの炎で焼死させる。また、自分の秘密を握る人間を抹殺しようと色々な手段を使う。

カメラワーク一つ一つで、ヒントとなる付箋を配置する展開が興味深い。暴走気味のホームズを放置しておけないワトソンが、いい味を出している。ワトソンの婚約者メアリー(ケリー・ライリー)の姿を見て、どういう暮らしをしてきたか言い当てるのがおもしろい。ホームズの観察力が、並大抵のものでないのも探偵物のお手本みたいだ。

尾行したり変装したり、色々なテクニックを使ってくれるのもいい。そして、有名な悪役モリアーティ教授の名前が出てくるのには、うれしくなってしまった。続編の製作も決定しているらしいので、楽しみだ。監督はガイ・リッチーで、音楽がハンス・ジマーだ。



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