噂のモーガン夫妻

「ラブ・アクチャリー」のヒュー・グラントと「セックス・アンド・ザ・シティ」のサラ・ジェシカ・パーカー主演で、マーク・ローレンスが監督・脚本で作った夫婦の危機を題材にしたコメディだ。この映画の設定は、マンハッタンの不動産会社の社長である妻と全米屈指の弁護士である夫の夫婦の危機だ。映画を見た直後はゲラゲラ笑っていい気分になったけど、なんだか何も残らない後味だ。金持ち夫婦のお話にしたのはいいが、”証人保護プログラム”の適用になった案件の展開に共感できなかった。

モーガン夫妻は、夫のポール(ヒュー・グラント)が全米屈指の敏腕弁護士で妻のメリル(サラ・ジェシカ・パーカー)がマンハッタンの優良物件ばかりを手がける不動産会社の社長だ。セレブカップルでも、悩みは庶民と同じで夫婦関係がうまくいっているかどうかだ。たぶん、キャリアアップに懸命になっていたので子供には恵まれていないのが原因で夫婦の間に溝ができる。そこで、夫のポールが浮気をしたので別居状態が続いていた。

氷の彫刻を送ったり、実際の星を送ったりしても妻の機嫌は直らない。メリルの秘書ジャッキー(エリザベス・モス)とポールの秘書アダム(セス・ギリアム)に日程の調整をさせて、やっとディナーを共にする。でも、食事後いっしょに歩いたら、メリルのクライアントがビルから背中にナイフを刺されて落ちてくる。そして、悪いことにその犯人ヴィンセント(マイケル・ケリー)の顔を目撃してしまう。二人は警察当局により、”証人保護プログラム”の対象者に指定されて、連絡手段のない田舎に退避させられる。

彼らが送られたのは、ロッキー山脈の北寄りにあるワイオミング州でレイという小さな町だ。イエローストーン国立公園やララミー牧場などでおなじみで、バッファローがたくさん生息していた州だ。人間の数よりも家畜の数の方が多いので、ジョン・ウェインの世界だ。また、温泉があることでも知られていて観光地として有名だ。モーガン夫妻は、別居中の身であり夫婦けんかの最中だ。でも、保安官のクレイ(サム・エリオット)とその妻エマ(メアリー・スティーンパージェン)に世話をしてもらうと、徐々に気持ちがほぐれてくる。

クマが多いのでクマ撃退のスプレーを買ったり、ポールが乗馬に得意だったことがわかったりする。また、ライフルの使い方を習ったり、町で唯一のレストランの経営者アール(ウィルフォード・プリムリー)から煙たがられたりする。だんだん、大自然の中での生活に慣れてきて、夜に満天の星を夫婦で見るシーンはいい。クマさんも出てくるが、いかにも動物タレントとわかるものだった。

のどかな自然に囲まれて、朴訥な人々に接していけば自然に争いごとは解決していく。ロデオのシーンも出てきていい雰囲気になるのに、彼らがニューヨークに帰ることができるお話の展開はあまりにも都合がよすぎる。孫と暮らしているレストランの経営者の娘が、軍隊で外国に行っていないという設定がもったいなく感じた。



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