遠藤保仁  プロフェッショナル仕事の流儀

NHK総合テレビで「プロフェッショナル仕事の流儀」を見た。日本代表140試合出場の遠藤保仁は、ボールを止めて蹴るという技術の圧倒的な正確さがある。インサイドキックで25mの距離を正確に蹴る技術がある。アウトサイドキックでも正確にけれる練習をしている。

相手チームが引いて守っている場合には、味方同士でゆるいパスをまわしながら相手の守備のほころびを探す。ゆるいパスの意味は周りの選手に慌てるなという意思表示なのだ。相手の動きを観察しながらディフェンスの穴を探す。そして、相手のディフェンスの裏にピンポイントでパスを通す。

試合がある前日は地元でもホテルに泊まる。そして、いつも同じ荷物を持ってくる。「がんばらなくていいんだよ」という本を試合の前日のホテルで読む。単行本がんばらなくていいんだよ
。野球ボールをケースに入れている。足裏のマッサージに使っている。

コンフェデレーションカップでは日本代表は3連敗した。遠藤はガンバ大阪にとどまり、優勝を目指していた。どんな状況になっても表情を変えない。愛媛FCとの試合には負けてしまった。だが遠藤は落胆したことを全く言わなかった。苦しい状況でも冷静さを保てるのはどうしてか。運転は制限速度よりもゆっくり走る。お嫁さんにはやく走れと言われることがあるけど、気にしていないという。このエピソードは「ジャンクスポーツ」でも紹介されている。遠藤渋滞という現象が発生するという話だ。

練習のメニューはほかのメンバーと同じだ。練習後に一人で走りこむ。有酸素運動を続けるといいことがあると地道に努力するのだ。

遠藤の故郷は桜島だ。小さい時からお兄ちゃんと遊んで幼稚園に行く日々を送っていた。サッカーが大好きな3人兄弟の末っ子だった。彰宏さんは見ていたり真似したりすることが好きで、できることかできないか冷静に判断したという。小学3年制のときサッカーの少年団に入ってメキメキ上達した。コーチは基本の技術にうるさかった。藤崎真也さんは負けず嫌いだったという。桜島の小学校には伝説の壁があるという。排水の穴に向けてキックの精度をあげた。

ガンバに入ったときには自分が体力で劣ることを自覚した。そこで、パスの精度を上げる練習をした。ドイツワールドカップのメンバーになったけど、ベンチから出場機会がなかった。

次のオシム監督からチームの中心選手に指名された。チームのために走り切る体力が必要だとわかった。黙々と筋力トレーニングを行った。南アフリカワールドカップではベスト16に入ることができた。「もっと自分がうまくなってブラジルに行きたい」と思った。現在33歳になった。「どこにいても何歳になっても成長できる。」と語る。

2013年10月日本代表のヨーロッパ遠征に参加していた。10月11日のセルビア戦では、遠藤は動きを封じられた。ベラルーシ戦も敗北した。「もう少し色々な形で取り組むべきだ」と語る。代表最年長の遠藤に疲れが溜まっていた。帰国するとすぐに試合が待っていた。カターレ富山との対戦でフォワードに起用された。前半29分、右サイドに走って開いたスペースにワンタッチでパスを出してゴールを呼び込んだ。

10月23日、遠藤はチームの練習から離れていた。右足の親指の付け根の打撲だった。でも、ボールをければけるほど痛みがます状況だった。次の日に遠藤は練習場に姿を見せた。そしてボールを蹴り始めた。「いつも下を向いてやっている選手は好きではない」という。ゲンを一切担がない遠藤に聞いてみた。「自分がこれ以上努力出来ないくらいやったら、サッカーの神様はいる」と語る。仲間の中には現役を退いた選手もいるけど、自分はまだやれるという。

11月3日、熊本との試合。遠藤が珍しいヘディングシュートを決めた。4:0で勝利してJ1復帰が決まった。2週間後再びヨーロッパに行く。初戦のオランダ戦では遠藤のポジションには若手が起用された。後半に出番が来て、後半15分ロングパスを出して同点に追いついた。ベルギー戦も後半からの出場だった。相手のスタイルを確認した。ランキング5位のベルギーは次々に攻撃を仕掛けてきた。積極的に前に出てアウトサイドでの本田へのパスを出してゴールを呼び込んだ。結果、3:2で勝利した。

帰国した遠藤は、「そんなに甘くないというのはわかっている。結果を出しながら成長していけばいい結果が出ると思う」と語る。プロフェッショナルとは、「ものすごい影響を与えられる存在だ。たとえばイチローさんみたいになりたい。」と語る。





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