ラ・ラ・ランド

アカデミー賞14部門ノミネートのミュージカル映画だ。「セッション」のデイミアン・チャゼル監督がライアン・ゴズリングとエマ・ストーン主演で製作した。女優を目指す女性とジャズピアニストを目指す男性の物語である。冒頭のハイウェイ渋滞シーンから長回しのシーンがある。一気にそこで引き込まれると、二人が夜景を見ながら踊るシーンで涙が出る。一旦涙腺がゆるくなると、盛り上がるシーンごとに泣ける。ラストシーンでは涙が止まらなかった。音楽と物語の進行が見事に混じり合い、感動を増幅させる。これだけ泣けて劇場を出るときの爽快感を味わえる。こんな映画なかなかない。

渋滞シーンでは二人とも喧嘩沙汰だ。最初は仲が悪かった二人だけど、徐々に仲良くなる。パーティーで再会して、ロスの夜景を見ながらのダンスシーンがいい。セバスチャン(ライアン・ゴズリング)は働いていたバーで勝手に演奏して首になり、生活に困ってしまう。ピアノでもキーボードでも関係なく、仕事して七転び八起きの苦労をすることになる。自分の店を持って、自分で好きな曲をピアノで弾くのが夢だった。

ミア(エマ・ストーン)はハリウッドのスタジオのカフェで働きながら、女優を目指してオーディションを受けまくっている。オーディションは連続で落ち続ける。セブのアドバイスもあって、ミアは脚本を書き始めて一人芝居に挑戦する。そのうちにセブが誘われて、あるバンドに所属して売れ始める。メジャーデビューして、売れっ子になるとツアーをするようになり留守がちになる。

ある程度売れてしまうと、セブはそれを維持しないといけない立場になる。でも売れていないミアは、目指していた夢を諦めるのかと疑問に思う。これは難しい問題だ。最初に思っていた夢は現実的ではなく、いわゆる子供の夢とも言える。ビジネスとして通用するのかという、問題点が残っている。メジャーになることが目標なら、ある程度の妥協が必要なのだ。

この映画では、そういう問題も楽しい歌と音楽でさらりと伝えてくる。フレッド・アステアとかMGMミュージカルの黄金時代へのリスペクトもチラチラと出て来る。天文台のシーンでは空中に浮かんだり、最後の再会のシーンではかなり工夫いっぱいの仕組みで楽しませてくれた。何回も見たい傑作の誕生だ。エンディングクレジットの最中も貴重な音楽が用意されているので、ゆっくりと楽しんでほしい。

涙が止まらないエンディングだった。星5個。
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