アンフェア the movie

2007年3月19日 20時50分
秦建日子の「推理小説」を原作にした「アンファ」というテレビドラマの映画化だ。例によってフジテレビの製作なので、多少「踊る」シリーズのテイストが残っている。でも、全体的にはこちらの方がなかなかシリアスな路線を目指したようだ。篠原涼子演じる雪平夏見が活躍する刑事ドラマだ。犯人が病院を占拠する映画というと、わては「ジョンQ-最後の決断」を思い出す。でも、とてもではないが、デンゼル・ワシントンクラスの存在感を発揮する俳優はいないし、映画の出来も遠く及ばない。病院占拠事件が起きるまでは緊迫感があったが、それ以後の警察の動きも犯人側の動きも全くおかしい。ましてや、主役であるはずの篠原涼子がもっと活躍しないと見応えはない。

警視庁公安部総務課に移動した雪見夏見(篠原涼子)は、貨物船の臨検に同行していた。同僚刑事が目的のものを見つけられない時、雪見だけが単独で船員の食堂に入り込んで禁輸措置の電子基盤を見つける。上司の斉木陣(江口洋介)は、結果させよければいいのだと単独行動をした雪見に理解を示す。雪見は、その頃取り組んでいたのは警察内部の裏金疑惑を密かに捜査していた。ある日、ベビーシッターに頼んで娘の実央(向井地美音)を学校に送ってもらおうとしたら、車が爆破され娘は重傷を負う。

豊洲の警察病院に娘の実央を入院させた雪見は、自分の代わりに亡くなったベビーシッターの娘のお悔やみに向かう。ところが、それと入れ違いに覆面マスクを付けた謎の若者たちに占拠されてしまう。ただちに、山崎哲夫(寺島進)が指揮を執る捜査陣が到着して犯人たちの対策に乗り出す。ところが、犯人側は正体を見せず、何も要求をしてこない。そして、入院患者や看護婦たちを解放してしまう。

ところが、解放されていない人間がいた。それは、警察庁長官と雪見の娘美央と担当の看護婦だった。犯人は、「警察が密かに作った裏金80億円を指定の銀行口座に振り込め。さもないと、長官の命はない」と要求を出す。そこから、警視庁の上層部は特殊部隊(SAT)の投入を即断して、病院内へ送り込む。この当たりから、映画の設定に無理がある。なんで犯人の数や位置を確認しないで特殊部隊は突入できるのか。居場所がわからないと、突入しても無駄になってしまう。

また、地下室の司令室で外部との出入りができないはずなのに、雪見は簡単に病院の中に入ってしまうのか。裏切り者が警察内部にいると雪見は言うが、そんなことは映画を見ている我々でもすぐにわかってしまった。これでは、全く緊張感がない。特に寺島進が、携帯電話でどこかに電話をしているシーンは誰にでもおかしいとわかる。ああ、途中まで期待したのに、残念だった。わては、テレビドラマの方を見ていないので、ドラマのファンの方には満足できるかもしれない。


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