96時間/リベンジ

リュック・ベッソン製作・脚本、リーアム・ニーソン主演のサスペンスアクションの第2弾だ。前回パリで娘を誘拐された父親は、トルコのイスタンブールで妻と娘の三人で観光に来て復讐される。前回で息子を殺された犯罪組織のボスが、復讐に乗り出して来る。父親同士の対決になるのだけど、復讐の繰り返しでは不毛な戦いになってしまう。それを一旦終わりにしようと、アメリカ人の方が提案するのが時代性を感じた。娯楽作品なのでアメリカが勝つようになっているけど、終わり方がいいので気持ちがよかった。

前回パリで娘のキム(マギー・グレイス)を救い出したブライアン(リーアム・ニーソン)は、娘の自動車免許取得のコーチをしている。離婚した元妻レノーア(ファムケ・ヤンセン)は別の男性と結婚したが、キムの父親役はブライアンしか務まらないみたいだ。ブライアンはキムに彼氏ができたと聞いて、元CIA秘密工作員の技を使って彼氏の家を突き止めてしまう。娘からは嫌われても、心配で仕方がないのだ。元妻のレノーアが夫とうまくいっていないと聞いて、気分転換に海外旅行に母娘を誘う。

一方、パリの事件で殺された組織のメンバーの遺体はアルバニアのある村に運ばれていた。メンバー全員が一つの村の出身者だったのだ。息子を殺された組織のボス・ムラド(ラデ・シェルッベシア)は、埋葬の場面で復讐を誓う。山奥の村人が全員組織のメンバーであるみたいだ。何の産業もない村で都会に出た若者が、集まって犯罪組織を作ったのだろう。南北の格差を感じた。その組織の調査能力も大したもので、元CIAのブライアンの身元も突き止めてわざとトルコのイスタンブールでの仕事を依頼した形跡がある。

父親のブライアンが仕事を終えた直後に、娘と妻がホテルにやってくる。落ち合う場所を決めていたのだろうけど、待ち構えていた組織のボスは家族全員拉致しろと命じる。おそらく最初はブライアンだけに復讐しようと計画していた。それが、狂ってしまった。ホテルにいる間は襲撃できないので、外出するのを待つ。ブライアンとレノーアが車で買い物に出ると、追跡されて拉致されてしまう。レノーアに銃口を向けられたら、いくら凄腕でも逆らうことができない。でも、とっさにホテルにいるキムに電話で状況を説明して、対処方法を指示するのだ。

これが一度拉致事件を経験しているキムだからこそ、反撃の糸口があったのだと考える。父の能力と指示を信頼できるから、キムは米大使館に駆け込まないで家族を救う方を選んだのだろう。ブライアンが顔に袋をかぶせられても、時間や車の方向転換から位置を推測できたものプラスになった。手榴弾の音の聞こえる方向や煙を使って位置を知らせるなど、ノウハウがすばらしい。組織側には初めの事件で失敗した理由の解明を怠ったミスがある。

組織側は完全に負けた。ボスは故郷に帰るべきだったのだ。娘を取り戻した父親は、結局彼氏に娘を取られてしまうことになる。なかなかユーモアのある終わり方だ。

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