レッド・ライト

スペインとアメリカの合作で、超能力者と科学者の対決を描いたサスペンスだ。透視、念写、スプーン曲げ、など超能力と呼ばれているものはほとんどがイカサマだと言われている。でも国家をあげて研究しているところもあるという噂もあって、超能力や超常現象は解明が難しい。大学の物理学者が本格的に究明に乗り出したらどうなるかという物語を、大変にムードたっぷりに演出した映画だった。種明かしをしていく過程もおもしろいのだけど、30年ぶりに復活した超能力者と若い物理学者の対決が迫力満点だ。

今時の大学の物理学教室で、超能力や超常現象を解明することを研究テーマにしている教員がいるとは思えない。まあそれを言ったら映画にならないので、マーガレット・マシスン(シガーニー・ウィーヴァー)とトム・バックリー(キリアン・マーフィ)のコンビがいたことにする。依頼があれば遠くまで出かけて、怖がっている人々を救う。映画の冒頭では、子供がいたずらでやっていることを突き止める。また、ステージでパファーマンすを披露しているペテン師に無線で指示を送っているのを突き止めたりしている。

ところが、30年ぶりに伝説の超能力者サイモン・シルバー(ロバート・デ・ニーロ)が活動を再開した。飛行機から降り立ったサイモンは視力を失ったみたいだ。トムは怪しいと、すぐに調査を提案する。でも、マーガレットは若いときに対決して論破された経験があって、「彼は危険すぎる」と断るのだ。同じ大学のポール(トビー・ジョーンズ)が、サイモンの調査をすることになりトムも同席する。

デジタルカメラへの念写はできないが、ポラロイドには何かが写っていた。ほかの実験もすべて録音録画した。当たったケースもあったが、外れたケースもあってなんとも判断できない。マーガレットは突然発作を起こして亡くなってしまう。それがサイモンのせいだと思い込んだトムは、ますますサイモンのインチキを暴こうと躍起になっていく。

無言電話があると、ガラスに鳥が衝突して死んでしまう。夜寝ていると自分の姿が宙に浮かんで見えたり、サイモンが立っていたように見える。いそいで外に出ると、またドアに鳥が衝突していた。部屋に戻ると、部屋が荒らされて誰かが侵入したみたいだった。ますますサイモンへの執着を強めていくトムは、サイモンの講演会場に乗り込んでいく。トムは休憩時間に何者かに襲撃されてしまう。なんとか命を取り留めたトムは、講演中のサイモンの前に血まみれで出て行く。

以下ネタバレなので、反転してください。
鬼気迫る形相のトムが叫ぶと、劇場の照明が破裂してしまう。そこまでに多くのふせんが配置されている。マーガレットのスプーンが曲がっていたのもそうだろう。トムの周辺で起きたことは、彼自身が引き起こしていたというオチになっている。サイモンはトムの接近に危険を感じて引退しようとしていたのだ。なんとも、へんてこな映画だった。

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2013/02/19
超心理学を研究する明治大学の石川幹人教授、「レッド・ライト」をお勧め
超能力者が登場する映画「レッド・ライト」を絶賛する人がいる。本日発売の週刊朝日(3月1日号)で、「レッド・ライト」の評を書いている。明治大学大学院情報コミュニケーション研究科の石川幹人教授だ。

テレパシーや透視能力などの現象を科学的に研究する学問は「超心理学」と呼ばれ、世界に100人ほどの研究者がいる…



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