ボクたちの交換日記

鈴木おさむ原作の小説を、内村光良が脚本・監督をして映画化した。売れないお笑い芸人が交換日記を初めて、悪戦苦闘する姿をその家族も含めて描いている。もっと平坦な物語を予想したけど、挫折や人生の悲哀まで盛り込んでいる感動作になっていた。漫才でも芸人を目指してすぐに売れる人はよほど才能と運に恵まれているのだ。しかも、売れ続けるのは並大抵ではない。舞台裏を支える人々の作戦や事情も合致しないとブレイクしない。才能も必要だが、周囲の応援も必要なのだ。

高校の文化祭で漫才が受けた田中(伊藤淳史)と甲本(小出恵介)は、お笑いコンビ「房総スイマーズ」いう名前で売れるのを目指していた。芸歴12年で30歳を目前にしても、売れる気配がない。ボケとネタ作りを担当している田中は、まじめな性格でレンタルビデオ屋でアルバイトをしている。甲本はツッコミ担当で派手な性格で、久美(長澤まさみ)という彼女の収入を頼りにしていた。久美は昼薬局で働いて、夜はキャバクラで働いている。しかし、甲本は遊び好きで300万くらいの借金もあった。

焦りを感じた甲本は、田中と無理やり交換日記を始める。プロとしてお笑いコンビになると、プライベートの話をしなくなる。また、仕事の話も最低限しかしなくなる。その現状を打破するための交換日記なのだが、いままで知らなかったコンビの本音を理解することになる。相手のことを知るきっかけにもなるし、自分のことを知るきっかけにもなる。甲本は、自分がコンビの足を引っ張っているしネタ作りの才能もないことを知る。そして、田中も甲本のヘマが大事なチャンスを潰していることに気づく。

お笑いのプロを目指して成功するのは、おそらく1%くらいだと思う。プロゴルファーを目指してプロになれるのはやっぱり1%くらいだろう。その中でトップとして成功するのは、少しだけだ。この「房総スイマーズ」も、例外ではない。事務所の社長から海外ロケを一人でする仕事をしないかと勧められた甲本は、コンビを解消する決意をする。子供ができた甲本は、てっとり早く収入が欲しかったのだ。また、田中は他のグループの片割れと新コンビを組んで再出発する。

一年後、甲本は日本に戻るが芸人をやめて飲食店で働き始める。新しいコンビを組んだ田中は売れ始めており、違う状況になっていた。そこから舞台は17年後に飛んでしまう。この時間の飛び越えでは、しっかりと理由がある。甲本の娘(川口春奈)が出てくるのだ。涙を誘う展開で、うまい演出だと思った。

トラックバックは下記アドレスをコピー&ペーストしてお使いください。
http://torachangorogoro.blog.fc2.com/tb.php/60-e5ae3e64



同じカテゴリー(2013年映画)の記事
僕等がいた前篇
僕等がいた前篇(2018-11-06 16:28)

永遠の0
永遠の0(2013-12-31 23:33)

武士の献立
武士の献立(2013-12-18 23:46)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
ボクたちの交換日記
    コメント(0)