探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点

札幌在住の作家・東直己の「ススキノ探偵シリーズ」の映画化第2弾だ。大泉洋と松田龍平のコンビ、脇を固める尾野真千子や渡部篤郎、ゴリがとてもいいキャラクターになっている。友人を殺された探偵が正体不明の依頼人と真犯人を見つけるために奔走する。政治家と暴力団が関係していると思わせておいて、意外な真犯人をもってくるのが面白い。しかも兄妹の絆をサブテーマにするなど、見事な物語だ。ときにユーモアを織り交ぜながら、楽しい内容だった。お勧めの映画だ。

特別なロケ地を必要としないで、作家が住んでいる札幌で撮影すれば映画を作ることができる。登場人物の向かう先も北海道の中なので、リアルな映像が撮れている。全くうまい映画作りだと関心した。そのとおり、街の中で登場人物がいるのを実感できる。札幌の歓楽街ススキノのオカマバーのマサコちゃん(ゴリ)が、ある日死体で発見される。マサコちゃんはマジックを趣味にしており、アマチュアの全国大会で優勝したあとに殺された。そこで手がかりは、東京に向かったことにあると思われた。

全国に顔を知られた有名人なので、警察の捜査は簡単に進むと思われた。でも数ヶ月経過しても全くわからない。探偵(大泉洋)は女に入れ込んで金がないと捨てられて、やっと犯人を探し始める。街に戻った探偵はマサコちゃんの元職場を訪ねるが、口が重い。ジャーナリストの松尾(田口トモロヲ)からの情報で、北海道出身の反原発をとなえる政治家・橡脇孝一郎(とちわきこういちろう:渡部篤郎)が関係していると判明する。橡脇は、マサコと昔関係を持っていたことがわかる。

美人ヴァイオリニスト河島弓子(尾野真千子)が探偵の前に現れて、マサコちゃん殺害の犯人を探してくれと正式に依頼してくる。自分も調査に協力すると言い出す無鉄砲な女性だったので、探偵は断る。でも彼女が情報をリークしたために、政治家や暴力団に反原発に盲信する市民たちからも追われることになる。3番目の反原発に盲信する市民というのは、物語の中盤以降にわかるのでハラハラした。マスクをした集団に探偵と助手の高田(松田龍平)が何度も襲撃される。高田は空手道場の師範代という設定だが、いつも少し遅れて出てくる。

探偵と高田に弓子は、マサコちゃんの故郷室蘭を訪問する。すると、女の子みたいな男の子が孤児になっていたことがわかる。チンピラとの銃撃戦もあるけど、なんとか振り切る。中山峠で実際にある「あげいも」という男爵薯を揚げたおやつを、車の中で食べるシーンがおもしろい。その後、札幌に戻るとだんだん真相に近づいていく。別れ別れになった兄と妹の絆が感動を呼ぶ。依頼人を守るために命をはる探偵は、まさにハードボイルとそのものだ。暴れる酔っ払いを抑えようとして自分で自分の腹を刺したというのは、格好良すぎるだろう。

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