ホワイトハウス・ダウン

ローランド・エメリッヒ監督、チャニング・テイタムとジェイミー・フォックス共演で作られたホワイトハウスが襲撃される映画だ。「エンド・オブ・ホワイトハウス」という似た内容の作品があったけど、こちらの方が幾分リアリティー重視だった。何よりもよかったのは前半に散りばめたふせんをしっかりと回収して、エンディングに持っていく脚本だ。娘の学芸会の役をクライマックスシーンにしたのには感動した。政治的な皮肉もしっかりと含まれていて、なかなかの良作になっている。

下院議長イーライ・ラフェルソン(リチャード・ジェンキンス)の警護を担当するジョン・ケイル(チャニング・テイタム)は、学芸会の参観に行けなかった穴埋めにホワイトハウス見学ツアーに誘う。娘エミリー(ジョーイ・キング)は「旗を振るだけの端役だったから」と強がるけど、不満顔をしている。議長を議会に送る仕事をしてから、父娘は近くにあるホワイトハウスの見学ツアーに行く。ジョンは知り合いのキャロル・フィナティ特別警護官(マギー・ギレンホール)に面会して、大統領警護を行うシークレットサービスへの採用面接を受ける。

学歴や職務経歴から予想通りに不合格になり、ジョンはエイミーといっしょに一般見学者とホワイトハウス見学ツアーに参加する。政治マニアのエイミーは大喜びで、ジェームズ・ソイヤーズ大統領(ジェイミー・フォックス)と偶然出会いインタビューまでする。見学ツアーの途中で、ホワイトハウスが火事になったことや色々な展示品の紹介が行われる。退官間際のマーティン・ウォーカー(ジェームズ・ウッズ)の誕生日を祝ってから、キャロルは帰宅する。その後、清掃員の格好をしていた人間が爆発物を爆破させる。

映写室の修理に来ていた技師たちが突然機関銃などの武器を取り出して、シークレットサービスを射殺していく。大統領を地下のシェルターに避難させようとしたウォーカーが、裏切りそのほかのスタッフを撃ち殺して大統領を人質に取る。ところが、異常に気がついたジョンがウォーカーと銃撃戦をして大統領を救い出す。でも、警備の責任者ウォーカーは大統領が行方不明になったことにして、制圧してしまう。技師に化けていたのは元軍人などで、金で雇われたのだ。携帯型の地対空ミサイルまで持っているので、デルタフォースのヘリコプター攻撃も失敗する。

核ミサイルの発射ボタンの入ったアタッシュケースが、副大統領・下院議長という順番で移ることも犯人たちは知っている。副大統領がエアフォースワンで避難すると、ミサイルで撃ち落としてしまう。このリアルな描写がすごい。下院議長に権限が移ってしまうと、核ミサイルの発射時間が迫ってくる。そのためにホワイトハウスそのものを戦闘機で爆破する命令が下される。大統領が独断専行すると産軍複合体が阻止するという物語はケネディー暗殺を思い出してしまう。未だにこんな考えが残っているかと思うと、怖くなった。

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