R100

松本人志監督・脚本の、SMをテーマにしたナンセンスコメディーだ。そうそうたる女優たちが入れ代わり立ち代わり主人公の前に登場して、社会生活を営んでいる環境で女王様の責めを受ける。最初はなんで周囲の人が無視するのか不思議だったけど、そのうちに現実と仮想の境目がなくなってくる。すると、責めを受けたあとの主人公の満足げなにやけた表情が幸福そうに見えてくる。SはサドのSではなくてサービスのSだというのを聞いたことがあるけど、最後には立場が逆転する。100歳の映画監督が出てくるあたりから、笑いが止まらなくなった。

どこかのSMクラブが監修に関係しているとあったけど、この映画にSMプレイのことを期待してみると的外れだろう。サラリーマンの片山貴文(大森南朋)は妻の節子(YOU)が意識不明で入院しているので、息子嵐(西本春紀)と二人で暮らしている。義理の父喜一郎(前田吟)がよく手伝いに来てくれるが、味気ない生活を送っている。その生活に刺激を求めて、片山は「ボンデージ」という秘密のSMクラブに入会する。そこのプレイ内容は、日常生活の中に突然女王様が出現して、去っていくというものだ。

冨永愛が路上で殴るけるの暴力を振るったり、寿し屋に佐藤江梨子が入ってきて食べようとしている寿しを次々に潰してしまう。そんな突発的な出現を体験するうちに、片山はだんだん快感を覚えていく。ところが、太地真央や寺島しのぶが職場や自宅に押しかけてくるようになると、片山はクラブの支配人(松尾スズキ)に電話をかけて約束が違うと文句を言う。でも、片山が迷惑だと言えば言うほど、攻撃する方も意地になってくる。

さらに、片山が警察に相談に行くと松本人志ふんする警官がまじめに受けごたえをする。もちろん、お互いの合意の上でやっているのでしょうと門前払いされる。もっと笑えたのは、それまでの物語を製作したのが100歳になる映画監督で、試写の途中だという設定だ。ここまでやってくれると、何が現実で何が仮想でもどうでもよくなってしまう。最後にはクラブのCEOである巨漢の外国人女性がやってきて、合戦をすることになる。

これは、もう意識不明の妻を抱えた男性に対する最大限のサービスを提供するというオチだとしか思えない。妻がもう意識を取り戻すことがなくても、もうひとり子供ができれば満足だろう。バカバカしいラストなんだけど、こんなに面白い変な映画はなかなかない。これだけ自由な発想をする松本人志は、どういう頭をしているか中を見てみたい。

トラックバックは下記アドレスをコピーアンドペーストしてお使いください。
http://torachangorogoro.blog.fc2.com/tb.php/107-22977c52





同じカテゴリー(2013年映画)の記事
僕等がいた前篇
僕等がいた前篇(2018-11-06 16:28)

永遠の0
永遠の0(2013-12-31 23:33)

武士の献立
武士の献立(2013-12-18 23:46)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
R100
    コメント(0)