キャリー

1976年公開のスティーヴン・キング原作、ブライアン・デ・パルマ監督の映画のリメイクだ。キンバリー・ピアーズ監督、クロエ・グレース・モレッツ主演で母親役をジュリアン・ムーアが演じている。学校でいじめをずっと受けているキャリーが卒業ダンスパーティーの場で一線を超えた仕打ちをきっかけに怒りを爆発させて、いじめっ子たちに復讐する。電気の漏電事故やそれにともなうパニックから起きた交通事故では説明できない。こんなことをされたら怒るのは当然であるけど、最新の映像技術で恐怖の体験ができた。

キャリーの母マーガレット(ジュリアン・ムーア)は、予期せぬ妊娠でキャリーを産んでそれを罪だと思い込んでいる。罪深い自分を許して欲しいと常に神に祈り、その生活パターンを娘にも強制する。母と娘だけの閉鎖された社会しか知らないキャリー(クロエ・グレース・モレッツ)は、学校生活に馴染めないでいじめられる。当然友人もいない。母は洋裁で生計を立てているが、お客と接するのが苦手で自傷行為を繰り返している。

キャリーへのいじめが暴力を伴ったものになったので、学校サイドではそのグループへのペナルティーを課す。大多数の生徒はそれに従うが、クリス(ポーシャ・ダブルデイ)だけが途中で拒否する。そのためにクリスは卒業記念に行われるダンスパーティー(プロム)への参加を禁止される。一方、キャリーに謝りたいと思ったスー(ガブリエラ・ワイルド)は、学校一のスポーツマンで恋人のトミー(アンセル・エルゴート)に頼んでキャリーをプロムに誘ってもらう。

人を疑うことがないキャリーは、大喜びして帰宅して着ていくドレスを自作する。ところがそれを見ていた母親は絶対に行ってはいけないと止めに入る。今まで母の言うことを聞いていたキャリーは、母をいつも閉じ込められている反省部屋に押し込んで出て行く。リムジンでトミーが迎えに来て、キャリーは会場に入る。気が進まないけど、トミーと少し踊った。ベストカップルに選ばれた二人は、みんなの前に出る。でもキャリーの頭上には、クリスとビリー(アレックス・ラッセル)たちが用意した豚の血が降り注ぐ。

最初は自分に何が起こったのかわからなかったキャリーは、自分のピンクのドレスが真っ赤な血で汚されたことを知り怒りとショックに打ち震える。キャリーの物を動かせる能力が爆発して、会場の扉が締まり電機の配線がショートして火災が発生する。犯人の二人は車で逃げるが、キャリーからは逃れることができない。帰宅した自分を殺そうとした母親を反対に殺して、キャリーは消滅してしまう。

考えてみるとこのお話は、キリスト教的だ。キャリーに謝りたいと思った人間は助かって、謝りたくない人間が死んでいる。理路整然とも言える。でも、怖い映画だ。
トラックバックは下記アドレスをお使いください。
http://torachangorogoro.blog.fc2.com/tb.php/115-35cb176a



同じカテゴリー(2013年映画)の記事
僕等がいた前篇
僕等がいた前篇(2018-11-06 16:28)

永遠の0
永遠の0(2013-12-31 23:33)

武士の献立
武士の献立(2013-12-18 23:46)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
キャリー
    コメント(0)