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「96時間」のリーアム・ニーソンを主演にして、飛行機の中で乗客を人質にされた航空保安官の活躍を描いた映画だ。犯人が誰だかわからないので、大変に面白くスリリングだった。NYからロンドンに向かう飛行機は大西洋の上を飛んでいる。飛び立ってしまえば、密室状態になる。そこに航空保安官である主人公の携帯でメールで脅迫状が届く。最後まで止まらない脚本が見事で、本当に飛行機の中にいるみたいだった。

航空保安官のビル(リーアム・ニーソン)は任務に付く前に、車の中でウィスキーを一口飲む。かなりの問題児である。9.11のあとにその存在意義が問題になっている役職でもある。上役にはよく思われていないのがわかる。でも、一旦セキュリティーゲートをくぐったら、仕事に集中する。ゲートをくぐる前から、同じ機体に乗る乗客の観察を鋭い目つきで行っている。

席に座る前にどうしても窓際の席に座りたい女性ジェン・サマーズ(ジュリアン・ムーア)が登場する。彼女はビルの隣に座っており、信用できそうに思う。でも彼女は詳しい身の上を話さない。観客はどの人間が怪しいのか、全くわからなくなってしまう。全員怪しいからだ。離陸してまもなく、ビルの携帯でメールが届く。

指定の口座に1億5千万ドル振り込まないと、20分ごとに乗客を殺すというのだ。同じ飛行機に乗っているものから届いたのは間違いないけど、誰なのかわからない。最初は、同僚である航空保安官ジャックがトイレに入り乱闘になり、ジャックが犠牲になってしまう。同僚を殺してしまったなんて、ほかの乗客には絶対に知られてはいけない。

でも、メールの送り主はその事実を把握していた。そして、犯人の指定した口座がビル名義のものであるとわかり、地上ではビルこそが犯人だと思われてしまう。上層部に掛けあってもテロリストとは交渉しないと突き放される。次には隔離されているはずのコックピットで機長が、発作を起こして死んでしまう。心臓発作なのかアレルギーショックなのかわからない。

知り合いのCA・ナンシー(ミシェル・ドッカリー)は信用できそうだけど、新米のCA・グウェン(ルピタ・ニョンゴ)はわからない。テレビのニュースでは乗客が撮影したビルの機内での行動が放送されており、ビルは容疑者にされていた。そして、NY市警のライリー(コリー・ストール)を中心にしてビルを確保しようと乗客たちが立ち上がる。

一人旅の女の子の持っていた人形が身代わりとして犠牲になったおかげで全員助かったという解釈でいいと思う。ジュリアン・ムーア演じる女性がいつ死ぬのかわからない病気だということも、伏線になっているのだろう。

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