本能寺ホテル

現代の京都と戦国時代の京都がエレベーターでつながっていたら、どうなるかという作品だ。まじめな歴史スペクタクルではなく、コメディタッチのお気楽な作品だと考えていいだろう。自分が何をしたいのかわからない女性がタイムスリップして、成長する物語だと思った。「プリンセストヨトミ」と同じ監督と主演なので、似た雰囲気である。

本能寺の変の疑問点は、なぜ明智光秀が主君の信長を討ち取ったのか。遺体はなぜ見つからなかったのか。秀吉の中国大返しはなぜあんなに素早かったのか。などなどがある。一応のその疑問点にも答えを用意しているので、楽しみである。時代考証は大阪城天守閣学芸員の跡部信だから、とんでもない内容にはなっていない。

京都の老舗料亭の息子吉岡恭一(平山浩行)と付き合っている倉本繭子(綾瀬はるか)は、父と会うために東京からやってくる。建設会社の社員の恭一は仕事が忙しくて、迎えにいけない。繭子は勤めていた会社が倒産したので、恭一のプロポーズを受け入れて京都にやってきた。何になりたいとか、何かをしたいという夢など考えたこともなかった。

恭一の父から何かしたいものはないのかと聞かれても、答えられない。そんな時に本能寺ホテルという変な名前のホテルに宿泊して、不思議な体験をする。エレベーターに乗ると、1582年の6月1日の本能寺に出てしまうのだ。そこはまさに、本能寺の変の前日だった。信長(堤真一)や森蘭丸(濱田岳)と知り合うけど、歴史を変えてはいけない。

信長が言うのは自分がやってきたことへの自信と、天下統一を成し遂げる執念だった。それは命がけのものだった。繭子はそんな命がけになって取り組むことが全くないので、驚いてしまう。なんとか信長が死なないようにしようと努力するけど、歴史は変えられない。かろうじて現代に戻ることができた繭子は、自分の進むべき道を見つける。なんとも清々しいお話であった。星3個。

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