アリス・イン・ワンダーランド3D日本語吹き替え版

ルイス・キャロル原作「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」をもとに、ティム・バートン監督が19歳になったアリスの物語を映画化した。原作に敬意を払いつつ、監督独特の映像世界を3Dで表現している。19歳のアリスにはミア・ワシコウスカ、ワンダーランドに住む帽子職人のマッドハンターをジョニー・デップが演じている。英語のおもしろい言い回しのある原作なので、字幕版を見たかったが時間帯の関係で日本語吹き替え版しか見ることができなかった。

結果的には、英語のヒアリング力が相当高くないと無理だった。日本語吹き替え版でも、物語の内容をたっぷりと楽しむことができた。6歳の子供の頃不思議の国で遊んだ記憶を徐々に忘れ、毎晩夢でうなされる毎日を送っていた。父のチャールズがビジネスの計画を考えていた矢先、亡くなってしまう。19歳になったアリス(ミア・ワシコウスカ)は当時の婦人服のしきたりであるコルセットなどをつけるのが、嫌いだった。貴族の舞踏会に呼ばれたアリスは、好きでもない男性からプロポーズされて「あまにも突然だと」拒絶する。

アリスが拒絶したのは、大人の世界に入る準備ができていないからだった。男性のお飾りみたいな女性になるのは嫌だったけど、何をするかも全く考えていなかった。白うさぎを追いかけて大きな木の横にある穴に落ちたアリスは、不思議の国にやってくる。夢で見ていた世界が実際にあることを知ったアリスは、帽子職人のマッドハンター(ジョニー・デップ)の案内でワンダーランドでの冒険に出る。

ワンダーランドでは、白の女王(アン・ハサウェイ)の妹である赤の女王(ヘレナ・ボナム=カーター)が支配力を強めて庶民は虐げられていた。でも、預言書によると他の世界からやってきた女性によって救われると言われていた。マッドハンターからはアリスことがその救世主だと説明されるが、アリスには実感がない。

三月うさぎやヤマネ、姿を自由に移動するチェシャ猫や大きな犬などと知り合いながら旅をする。アリスは、白い女王の自分勝手な振る舞いに苦しむ仲間の期待に答えるように行動を開始する。ヴォーパルの剣を手に入れて、ジャバウォッキーという怪物を倒すために行動を開始する。この怪物を倒すことは、子供のアリスが自我に目覚めてほんとうにやりたいことを見つけるという意味だ。

大人への扉を開けたアリスが、「wonder」という名前の船で中国に向かって旅に出る。それは、ヴィクトリア朝時代世界に勢力を広げつつあった英国が中国へ進出するきっかけになる。香港が中国への足がかりになるという言葉からも、アヘン戦争以前のお話だろうと想像する。

体が小さくなる縮み薬とか、反対に大きくなるケーキもある。チェシャ猫のモフモフ感が、たまらない。ブタのお腹も、足を乗せるには柔らかそうだ。「Why is a raven like a writing desk?(なんでワタリガラスは、書き物机に似ているか)」という質問が何回も出てくるけど、正解はない。こういう冗談みたいな言葉遊びみたいな台詞が、多数使われている。遊び心を持って、ティム・バートンの独特の映像世界を楽しもう。



同じカテゴリー(2010年映画)の記事
最後の忠臣蔵
最後の忠臣蔵(2010-12-30 00:10)

バーレスク
バーレスク(2010-12-20 22:25)

ノルウェイの森
ノルウェイの森(2010-12-13 22:06)

この記事へのコメント
初めてコメントします

この映画こっちでは結構人気あります
3Dの映画って私は好きです
何言ってるのかわからなくても楽しめるし、映画館で見ないと3Dじゃないとこらへんが、自分も見に行きましたが何言ってるのかわからなくて最初の半分位寝てしまいました、後半しか見れてないですが面白いと思いました。
Posted by メドゥーザ at 2010年04月20日 06:29
メドゥーサさん、コメントありがとう。
やっぱり、あの独特な世界はおもしろいですね。これからもよろしく、ゴロゴロ。
Posted by とらちゃん at 2010年04月20日 11:23
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
アリス・イン・ワンダーランド3D日本語吹き替え版
    コメント(2)