ペントハウス

ベン・スティーラーとエディ・マーフィ共演で、大富豪に年金財産を騙し取られた使用人たちが逆襲する映画だ。アメリカの所得者を別けると、1%の金持ちと残りの庶民になると言われている。NYで差別解消のデモも起きているくらいで、その経済情勢をコメディにするとこうなるのだ。マンハッタンのセントラルパークに面して建っているザ・タワーは、トランプタワーでロケをした。公園の自然も映画に登場しているのは、現実味がある。司法取引で首謀者が軽い刑ですむオチも納得できる。ゲラゲラ笑ってストレス解消なのだ。

ジョシュ(ベン・スティーラー)は、NYの一等地セントラルパークに面している65階建てのマンションの管理マネージャーだ。分譲価格は大変高額で、その一番上のペントハウスは究極の成功者だ。そこに住むのは、証券業で成功したアーサー・ショウ(アラン・アルダ)だ。新人のエンリケ(マイケル・ペーニャ)がエレベーター係りで来ると、VIPに対する接し方をジョシュがコーチする。ある日、数名の黒服の人間がそのビルに入ってきてアーサーをさらって行く。ジョシュは猛烈な勢いで追いかける。

ところが、アーサーを連れて行ったのはFBIだった。金融王のアーサーは、2000万ドルの証券詐欺でFBIに逮捕されてしまった。金持ちのアーサーは1000万ドル(10億円)の保釈金を払い、すぐに出てくる。出てきてもアーサーはペントハウスにFBIの見張りつきで外出できない。ジョシュは全従業員の年金の運用をアーサーに依頼しており、ドアマンのレスター(スティーヴン・マッキンレー・ヘンダーソン)は個人的に1万3千ドルを預けていた。

義理の弟のチャーリー(ケイシー・アフレック)はコンシェルジェとして働いているけど、決断力がない。ドアマンのレスターは、その道一筋に勤めてきたので自殺未遂までする。FBI捜査官のクレア(ティア・レオーニ)は、アーサーの財産がすべて見つかっていないとジョシュに言う。頭に血が上ったジョシュはアーサーの部屋に乗り込んで、スティーヴ・マックウィーンの持っていたフェラーリ250GTOをゴルフクラブでぶちのめしてしまう。ジョシュは一人だけ首になる。従業員たちは、そこで始めて年金運用がゼロになったと知る。

困ったジョシュは、幼馴染の元泥棒の受刑者スライド(エディ・マーフィ)を出所させる。みんなの年金を奪われたので、奪い返そうと計画したのだ。チャーリーやエンリケのほかに、ウォール街の負け組Mr.フィッツヒュー(マシュー・ブロデリック)とメイドのオデッサ(ガボレイ・シディベ)も仲間になる。映画の冒頭で、アーサーが屋上のプールで泳いでいる。そのプールの底には100ドル札が描かれている。作戦決行の日を感謝祭の日にするのが、皮肉だ。年金がゼロになる事件は実際にアメリカであったと記憶している。リーマン破綻とか、色々あったのだ。

フェラーリ250GTOの乾燥重量は、950kg(880や1000というデータ)もある。1グラム当たりの相場が現在4500円くらいだ。例の金属が4500万ドル、下がるとマイナス1000万ドルという話が出てくる。1ドル100円で計算すると、4500万ドルは45億円。45億円分の例の金属が1000kgということになる。強度を持たせると、もっと重くなる。映画製作時の相場はもっと低かっただろう。

2010年のNYセントラルパーク周辺で行われたThanksgiving paradeの動画を、youtubeで見つけた。映画で出てくるスヌーピーも出ているよ。



同じカテゴリー(2012年映画)の記事
レ・ミゼラブル
レ・ミゼラブル(2012-12-21 21:55)

果てぬ村のミナ
果てぬ村のミナ(2012-12-19 22:23)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
ペントハウス
    コメント(0)