僕等がいた 後篇

1ヶ月の間隔を開けて前後篇を公開する試みは、大成功のようだ。高校時代の恋愛がずっと続けられるというのは、何十年も生きてきた自分にとっても理想的だ。過去を引きずって生きてきた矢野の母も山本の母も、長生き出来ない。うつ病のとらグースカも、過去を思い出に変えることが出来ない。矢野、高橋、竹内、山本は見事に大人脱皮できている。若者の目線で表現できている秀作になった。たくましい彼らの生き方を劇場で体験して欲しい。携帯電話より投稿。以下後日。

母庸子(麻生裕未)と東京に出た矢野元晴(生田斗真)は、家事を担当して東京の高校に通っていた。クラスメイトの先見寺亜希子(比嘉愛未)は、矢野が釧路にいる彼女高橋七美(吉高由里子)と遠距離恋愛しているのを聞かされていた。懸命に勉強した高橋は偏差値が上がりなんとか大学に合格できるところまで来る。大学に進学した高橋のそばには、矢野の親友だった竹内(高岡蒼甫)がいた。成績優秀な竹内は早々に就職を決める。高橋も50社以上試験を受けて、なんとか出版社に入る。そこで、高橋は矢野のクラスメイトだった先見寺と同じ会社になる。

高橋は矢野を待ち続けているが、周辺に支えてくれる人に恵まれた。ある意味それは、幸せなことだろう。矢野は高校を卒業する前に音信不通になってしまう。矢野の元恋人で交通事故で亡くなった山本菜々の妹有里(本仮屋ユイカ)は、東京の矢野を探して出てくる。矢野は有里への気持ちがないと拒絶するが、有里はわらをもつかむおもいで矢野から離れない。そして、いつの間にか矢野と山本有里はいっしょに住み始める。

矢野の母は会社のリストラに会い突然家から出なくなる。そして、身体の異常を訴える。医者に行くとガンが全身に転移して施しようがないといわれる。被害妄想の気配が出てきた母は、高校のノートを届けに来た先見寺も受け付けない。矢野の母は矢野が外出したのを悲観して飛び降り自殺してしまう。矢野は血がつながっているが顔もしらない父の援助を受けて、養子になる。山本有里の母が植物人間になってしまったのだ。矢野と有里がいっしょに住み始めた理由は、入院費の援助のためでもあった。

若いのに矢野の境遇のような青年がいるのだなと驚いてしまう。そんな事情を全く知らない高橋は、竹内と付き合い始めるがなんだか揺れ動いているみたいだ。育った環境に生き方を左右されてしまった矢野は、大人のエゴから脱出しようともがく。生田斗真の演技がすばらしい。同級生の結婚式で帰郷した彼らは、もう統廃合で廃校になった母校の校舎に来る。有里の後日談はおまけみたいだったけど、矢野と高橋のラストは感動的だった。若いから純粋で、まぶしい。

佐藤秀さんが書いておられたけど、養子になった人間は元の苗字に簡単に戻れないと思った。草原のシーンは想像上かもしれない。それとパニック障害の描写が足りない。



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