テルマエ・ロマエ

ヤマザキ・マリ原作の同名漫画を映画化した。古代ローマの大衆浴場の設計技師が現代の日本にタイムスリップして、最新の風呂文化を古代ローマに持ち込んだりして繰り広げれるコメディだ。単に風呂文化を持ち返るだけでなく、古代ローマの危機まで救ってしまう物語が奇想天外でおもしろかった。建設技師ルシウスを阿部寛が、日本で漫画家を目指している女性に上戸彩が演じていて二人のプロポーションのよさも見所のひとつになっている。同じ風呂好きの人間たちが古代と現代に存在していて、もし交流があったらこんな物語になるだろう。温泉につかって気分がよくなるのを見ると、日本人でよかったと思う。

西暦130年ごろ、古代ローマで浴場設計技師のルシウス(阿部寛)は伝統的なデザインを大切にするあまり師匠から首にされてしまう。友人のマルクス(勝矢)の誘いで大衆浴場に繰り出して気分転換をしようとするが、風呂の底にあった穴に吸い込まれてしまう。浮上した先には、平たい顔族ばかりがいる日本の銭湯に出てくる。全く言葉が通じないが、壁に描かれた富士山の絵や風呂桶にお湯の出る蛇口、マッサージの道具にフルーツ牛乳と脱衣の篭や卵まで見つけてびっくり仰天する。

のぼせて倒れていると、またもとの古代ローマの大衆浴場にいた。日本の銭湯で見たものをそのままローマでやってみると、ときの皇帝ハドリアヌス(市村正親)に気に入られてしまう。古代ローマ人にとって、浴場はそれほど大切なものだったのだ。根がまじめな性格なので、自分のオリジナルではない後ろめたさが少しある。でも、何回も現在日本に来ているうちにどんどん最新のテクノロジーを再現してみせて人気者になってしまう。

日本でルシウスの世話をしたのが、漫画家志望の山越真美(上戸彩)だった。彼女は漫画を描きながら、バスのショールームで働いている。泡風呂やお尻の洗浄機能つきトイレ、家庭用風呂、温泉地の内風呂に露天風呂など数々の風呂文化を持ち帰りローマで実現してしまう。真美はルシウスの相手をするあまり、ショールームを首になり漫画家になる夢も諦めて故郷の温泉旅館に帰る。そこでも、ルシウスが出現して物語がはちゃめちゃになってくる。

ハドリアヌスは東欧方面の戦いでローマを離れていることが多くなり、戦いの長期化という問題と次期皇帝の指名という問題が持ち上がる。ケイオニウス(北村一輝)は女好きで信用ならないが、アントニウス(宍戸開)は経験がない。ルシウスは皇帝からケイオニウスのために浴場を作るように命令されるが、それを命がけで断ってしまう。処刑されても仕方がないけど、皇帝に事情を説明するために戦場まで出かけていく。その場面にはなぜか真美もいて、ローマ人になっている。

愉快痛快、ローマの危機を救うために一肌脱いだ上戸彩と阿部寛。いやー、おもしろかった。



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