外事警察 その男に騙されるな

警視庁公安部の諜報部隊「外事警察」をテーマにしたNHKドラマの映画化だ。スパイ天国などと揶揄される日本でも、外国人の諜報活動や国際テロの防止に活躍する部門がある。ドラマを全部見ているので映画になると、かなり違うと思った。日本映画としては相当いい線いっているのだけど、ドラマのときには時間的制約があって物語がコンパクトだった。映画にすると、南北朝鮮と核を題材にして韓国人俳優も登場する規模になってスケール感が出た。ところが、人間の感情表現についてテンポが鈍くなってくる。2時間を越える上映時間はもう少し短くできたのではないか。(ここまでの感想は騙されたものです)

どこかの橋を一人の女性(真木よう子)が血のついた服で歩いている。そこに韓国のパトカーが駆けつけて車にのせる。爆弾はどうなったとか言っているので、大変な事件だったのだろう。映画は5ヶ月前に戻る。北から南に向かう人影がある。濃縮ウランを運び出したらしく、ある人物が南側から来たやつを射殺する。また、2011年の東日本大震災の直後、東北のある大学から原子力関連の極秘資料が盗まれる。

そして、現在CIAから日本政府に情報が入り、核テロの可能性ありということがわかる。警視庁公安部外事四課では、住本健司(渡部篤朗)をチーフにしてチームが組まれる。ここまで書いてきて、とらグースカは完全に騙されていたことに気がついた(一日経過後)。2時間を越える上映時間は、濃密なエンターテイメントだったのだ。住本が最後に親子調査の報告書を焼いて、その灰皿の上に札束を置く。そのお金を取ったのは、奥田香織(真木よう子)の娘を誘拐した犯人だったのだ。

奥田香織が結婚した相手は、奥田正秀/金正秀(韓国名)(イム・ビョンジュン)で貿易会社を経営している。従業員は安民鉄(キム・ガンウ)ら、韓国人などだ。住本たちは奥田の会社が大学から資料を盗んだとにらむ。住本は香織を協力者に引きこむ。言葉を発せられない5歳の娘・琴美がほんとうにそうなった原因を突き止めて、香織を口説き落とす。まさにえげつない方法だ。さらに北に帰った科学者徐昌義(田中泯)を、保護して日本で治療させる。韓国の諜報機関NISと外事警察にテロリストが三つ巴の戦いを繰り広げる。

素人を協力者に使うのは危険すぎるとか、なんで簡単に徐が誘拐されるのかとか突っ込みどころはある。でも、韓国に渡ってからの渡部篤朗と田中泯の対決シーンは見ごたえがあった。まんまと騙されてしまった。悔しいのだ。




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