THE GREY 凍える太陽

リーアム・ニーソンを主演にむかえ、リドリーとトニー・スコットが製作、イーアン・マッケンジー・ジェファーズ原作、ジョー・カーナハン監督で作られたオオカミとの戦いを描いたサバイバルアクションだ。アラスカの石油採掘現場から故郷へ帰る飛行機が山中に墜落する。生き残った7人の男達が、野生のオオカミの縄張りに入ってしまい生き延びようとする。-20℃の世界は極限の寒さで人間を寄せ付けない。徐々に減っていく生存者のそれまでの人生なども描きながら、野生の世界の厳しさが凍えるほど伝わる。

オットウェイ(リーアム・ニーソン)はアラスカの石油採掘現場で、野生動物から作業員を守る仕事をしている。猟銃を常に携帯して、オオカミの生態にも詳しい。彼は妻を病で亡くし、生きる希望をなくしていた。自殺しようとライフルの銃口を口に入れたとき、遠方のオオカミを見つけて射撃する。近寄ってみると、オオカミはまだ息があり呼吸をしていた。お腹に手を当てると、動かなくなった。

そんなことがあった直後、オットウェイたちは休暇のために飛行機に乗る。悪天候で揺れるフライトになり、作業員たちは不安を口にする。案の定、機体は真っ白な雪原に墜落する。オットウェイが周辺を探すと、無残にもバラバラになった機体があった。奇跡的に助かった7人の作業員は生き延びるために食料や寒さをしのぐ衣服を集める。でも、食料はわずかしかなく、飛行機の燃料も少ししか残っていない。

最初の犠牲者は残骸となった機内で息を引き取る。夜になると、二つに光る目が多数押し寄せてくる。それは、アラスカの大地で生きているオオカミの群れだった。一行は森を目指して進むことにする。オットウェイがリーダーシップをとるが、ディアス(フランク・グリロ)は反抗する。でもオオカミに対決するためには協力するしかないと、6名の男達は団結する。怪我をして行軍から遅れたものは、オオカミの犠牲になる。吹雪の中で眠ってしまうと凍死してしまう。崖をロープで渡るときには、高所恐怖症のものが犠牲になる。

最終的にヘンリックス(ダラス・ロバーツ)とディアスとオットウェイの三人になってしまう。人が樹木を切ったあとを見つけて、川沿いに下っていく。ディアスが怪我をして、脱落する。ヘンリックスもオオカミの襲撃で川に落ちて脱落する。全員の財布を預かったオットウェイは、それぞれの家族の写真を見つける。ろくでもないやつらだと思っていた男達にかけがえのない家族がいたことを知る。最後に彼は居心地のいい場所に到着するけど、そこはオオカミの巣だった。オットウェイは手にナイフと電球をテープで巻きつけて、アルファ(オオカミのボス)との対決に挑む。映画はそこで終わる。

オットウェイは妻の幻影をずっと見ているけど、大嫌いだった父が残した詞を思い出す。それは最後の最後まで戦って死ぬというものだ。自殺念慮から、最後まで戦う道を選ぶまでの変化がすばらしい。エンディングクレジット終了後、オオカミのお腹が動いて息をしている映像が出る。でも、オットウェイの頭も少し見える。どちらが勝ったのかは、観客の解釈に任された形だ。



同じカテゴリー(2012年映画)の記事
レ・ミゼラブル
レ・ミゼラブル(2012-12-21 21:55)

果てぬ村のミナ
果てぬ村のミナ(2012-12-19 22:23)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
THE GREY 凍える太陽
    コメント(0)