とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver

実話をもとに製作されたフランス映画「最強のふたり」のネット試写会を観た。首から下が麻痺した大富豪とスラム出身の黒人青年の交流を描いている。介護担当として採用された青年が同情しないで接するのがとてもいい。自分が障がい者なので大変に共感できた。 原題の「UNTOUCHABLE」は「無敵、無比」という意味になるだろう。主人公の二人の関係が無敵という意味合いだと思う。現在は別々に暮らしているらしいが、それぞれにパートナーを見つけている。そこまでの物語が実に丁寧に描かされている。

最初のシーンでアストンマーチンでぶっ飛ばす二人はパトカーに追いつかれて、車椅子の病人だと助手席の彼を指摘する。パトカー先導で病院に到着したら、逃げてしまう。その導入部がユーモアたっぷりで印象に残った。 首から下が麻痺したフィリップ（フランソワ・クリュッゼ）は助手席で座っている。隣に黒人のドリス（オマール・シー）が、高出力のスポーツカーを自在に操っている。とても障がい者だとは誰も思わない。普通ならそんなスポーツタイプの車は障がい者用に作られていない。その車に乗せてしまい、フィリップがとても楽しそうなのだ。こんな介護をする人は普通いない。

次に映画はドリスの家族や境遇を紹介する。何ヶ月も家を開けて帰ってきたドリスは、年の離れた弟を思いやりながら母から怒鳴られている。なぜ母が怒っているのかわからない。外に出ると、定職についていない黒人青年たちとだべっている。職業安定所からの紹介でドリスは、大富豪のフィリップの屋敷に来る。念入りな面接が続いて待たされ続けたドリスは、紹介状に断りのサインをしてくれと割り込んでくる。その無理やりな強引さが、フィリップの心を掴み翌日の9時に来いと言われる。