桜、ふたたびの加奈子

栃木県足利市でロケをして新津きよみの「ふたたびの加奈子」を映画化した作品だ。小学校の入学式当日に子供を先に車から降ろしたために事故で亡くしてしまう。母役の広末涼子が離したために事故にあったので、自分を責める。自宅の住所を覚えさせる練習や犬のジローが効果的だ。子供の生まれ変わりというと胡散臭いと先入観があるけど、真正面から取り組んでいるので徐々に話に引き込まれる。犬のジローが再び出てきたことで、たまらない思いが湧き上がった。周囲の方々は涙を流しておられたけど、わてはそこまではなかった。

桐原容子(広末涼子)と相原信樹(稲垣吾郎)には、一人娘の加奈子がいた。小学校入学を前に自宅の住所を暗証している。迷子になったときに自宅に帰ることができるためだ。入学式当日、親たちより早く車を降りた加奈子は交通事故で亡くなってしまう。棺桶がほんとうに小さいので悲しくなる。骨壷は49日にお墓に入れる。49日が過ぎると、遺族は普段の生活を取り戻すのが普通だ。でも容子は時間が経過しても娘の死を受け入れることができず、3人分の食事を作り続ける。

容子は自責の念から自殺をはかるが、発見が早くて命拾いしていた。沈み込んでしまった容子は、ほんの少しでも救いを求める。加奈子と仲良しだった飼い犬のジローが突然逃げ出したので追いかけると、野口正美(福田麻由子)という女子高生に出会う。彼女は妊娠しており、高校をやめて産む決意を固めていた。容子は彼女と関わりを持つことで、だんだん生きる目標を感じるようになる。

ジローが逃げした最中に出会ったので、正美のお腹の子供を加奈子の代わりだと思うようになる。正美の出産でますますのめり込んでいく。
正美の彼氏は大学生で子供の父親だったけど、子供のことに関知しない。正美の家族は父親だけだけど、世間体を気にしている。正美の担任の女性教師は、できちゃった結婚で退職した。教え子よりも少し遅れて出産して、容子の周辺には二組の母子がいる。

佐村河内守の音楽が情感を盛り上げる。ジローという犬がなついている子供を加奈子の生まれ変わりという設定にして、美しい物語が展開される。ファンタジーだと仮定すれば、子供を失った夫婦の再生の物語として成り立つ。演出が直球勝負なので、その点は好感を持った。でも、わてはあまり入り込めないものだった。

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