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忠臣蔵をハリウッドが中国風の味付けをして映画化した作品だ。字幕版は3Dであったけど、吹替版は2Dで見た。キアヌ・リーヴス以外は日本人キャストなので、吹替版で違和感がない。日本で古くからドラマや映画になってきた忠臣蔵とは全然味付けが違うけど、武士としての生き方だけは伝統のままだった。もっと奇想天外なとんでも物語を予想していたけど、案外受け入れられる内容だった。仇を討っても命がないことを知っていて、困難に挑戦する姿は侍そのものだった。

カイ(キアヌ・リーブス)は、異国人の父と日本人の母から生まれた子供で天狗に育てられたという。赤穂藩の浅野内匠頭(田中泯)に拾われて、食べ物に困らないようになって静かに暮らしていた。カイは、赤穂藩の侍からは白い目で見られて仲間はずれにされる。ただひとり藩主の一人娘のミカ(柴咲コウ)がカイに心を寄せていた。隣国の藩主・吉良上野介(浅野忠信)は、ミカを自分のものにして領地も入手したいと企んでいた。

将軍綱吉(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)が赤穂藩に訪問する機会に、妖術使いのミヅキ(菊池凛子)を使って心を操り浅野に刃傷沙汰を起こさせる。忠臣蔵では朝廷からの使者を出迎える役目を果たす時に、刃傷沙汰が起きている。いずれにしても、即刻浅野内匠頭は切腹で、赤穂藩はお取り潰しの上吉良の領地になってしまう。もちろん、大石(真田広之)らの藩士は所払いになり仕える先を失う。大石は一番危険な人物だとして、地下牢に入れられる。

なんだか、風景も侍たちのつけている鎧も中国風であり、お城まで日本的ではない。さらに、カイが長崎の出島でオランダ人の奴隷になっているのは西洋的だ。大石はカイを救い出し、47名の志士を集めて吉良の城へ攻め込む。といっても、大勢で守っている城に正面から入ることは無理で、旅芸人に化けて侵入する。その戦いの様子は、西洋のお城を攻めているみたいだ。でも、最後は本懐を遂げて吉良の首を持って行進する。大石主税(赤西仁)は元服したばかりの青年だったけど、父と同じ道をたどったはずだ。

綱吉は、志士たちの処遇に困りどうすればいいか非常に悩んだらしい。世論は志士たちを支持するし、忠義を尽くした姿勢は侍らしいし、法律では罰しないといけない。志士たちは、各藩の屋敷に分散させられている。また赤穂藩は現在赤穂市となっていて、兵庫県の一番西側に位置している。吉良は三河の国であり、相当離れている。また、討ち入りをした志士たちの家族では遠島になったりしたものもいるが、天寿を全うしたものもいる。一方、吉良家の方が末路は悲惨で断絶してしまった。「忠臣蔵のふるさと赤穂においでよ」参照。

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