ゲティ家の身代金

1973年に実際に起きた誘拐事件をもとに、リドリー・スコットが監督して製作されたサスペンス映画だ。これは恐ろしい実録物です。なんといっても誘拐した犯人の中にカンブリア州のマフィア組織ンドランゲタのボスまでいたのだから大変だ。カンブリア州はイタリアでも最南部にありシチリア島に一番近い。やばいエリアである。

ローマは比較的安全なのかもしれないけど、ジャン・ポール・ゲティ三世(チャーリー・ブラマン)は売春婦がいる地域に夜一人で歩いているところを誘拐される。全然危機意識がないのは、育ちのせいだろうか。さっそく誘拐犯から手紙を来るけど、石油王のジャン・ポール・ゲティ(クリストファー・プラマー)まで届かない。やっと届いたと思ったら、祖父はドケチな性分で身代金1700万ドルの支払いを拒否する。母親のゲイル(ミシェル・ウィリアムズ)は夫と離婚して、財産を要求しなかったので何もできない。

誘拐犯たちはのんびりと待っていたけど、警察に追い詰められて3世を連れてマフィアに渡してしまう。そこから、恐怖の展開が繰り広げられる。医者を呼んで耳を切断して送りつけたのだ。酒を飲ませて大勢で押さえつけて、耳を切るのは痛そうだ。祖父のどケチぶりもすごい。税金をなるべく払わないために、身代金がどのくらいの額なら控除されるか計算しているのだ。

それでも耳が送られて、祖父は元CIAのフレッチャー(マーク・ウォールバーグ)を雇いイタリアで調査をさせる。母親のゲイルもいっしょになって息子を助けるために奮闘する。身代金を出す代わりに孫の親権を取り上げようとしたりする祖父は全くどうかしている。当時世界で一番の金持ちと言われても、誰も信じることができないで美術品の収集しか興味がない。

これでは何のために金を儲けたのかわからない。死ぬ間際になって、やっと入手した絵画を手にすると防犯ベルが鳴り出すという皮肉だ。自宅で自分の絵を手にするだけで防犯ベルが鳴るのは、バカバカしい。母とフレッチャーが息子を救出するシーンは、非常に緊迫感があった。ドアを叩いても関わりたくないと断られるのは、マフィアと関わりを持ちたくないという気持ちだろう。

星5個。
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この記事へのコメント
個人的には、ゲティセンターの謎が解けただけでうれしかったです!

https://blog.goo.ne.jp/onscreen/e/f930810bd10b468864e66910682d3c05
Posted by onscreen at 2018年06月02日 18:41
onscreenさん、コメントありがとうございます。

ゲディ家というのは今もあるそうですね。住む世界が違いますね。
Posted by とらちゃんとらちゃん at 2018年06月02日 21:18
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