ボルト 3D日本語吹き替え版

最近アニメの3D映画が続けて公開されていて、本命の「ボルト」を見た。ピクサーとディズニーが合併して、ジョン・ラセターが製作総指揮で作られたアニメだ。脚本がすばらしく、3Dでなくても物語だけでも内容が濃い。アクションをたっぷりと楽しみ、動物たちのぬくもりも感じたいなら3Dで見てほしい。

テレビドラマの世界を本物だと信じ込めさせられた犬・ボルトが、飼い主の女の子・ベニーとの冒険生活を懸命に生きている。走れば高速で走るバイクと競争して、ジャンプすればヘリコプターも飛び越える。そして、気合を入れて吼えると敵の軍隊が吹っ飛んでしまう。ドラマの製作者も、犬にほんとうの演技をさせるためにいろいろな工夫をしている。過熱する要求に飼い主のベニーは不安になるが、拒否できない。

そんなある日、撮影以外でガラスに体当たりして跳ね返されたボルトは、梱包用の箱に落ちてしまう。そして、ハリウッドからニューヨークへ送られてしまう。荷解きされて、街に出たボルトは現実が理解できない。そこに、やせこけた猫ミトンズに出会い、助けられる。でも、ベニーに会いたい一心のボルトは、ミトンズの忠告を信じないでハリウッドを目指して列車に飛び乗ってしまう。ミトンズも放置できなくて、ボルトといっしょに旅をすることになる。

そこから、二匹のロードムービーが始まる。道中のキャンプ場で知り合ったテレビおたくのハムスター・ライノと合流して、旅は続く。そのあたりで、ボルトはドラマの世界と現実の世界の違いをしっかりと理解できるようになる。それまでは、無謀なことをしても奇跡的に助かっていた。その奇跡的なアクションも、非常におもしろい。

この物語は非常によくできていて、大人の鑑賞にも堪えうると思う。動物保護団体が保護してくれるが、犬や猫から見たらどのように映るのかよく描かれている。また、ミトンズが人間に捨てられて捨て猫だったという逸話は、人間の身勝手さを浮き彫りにしている。そして、ボルトがなんとかハリウッドに到着しても、自分の代わりの役者犬がベニーの相手をしていて悲しくなる。

あくまでも動物の立場になって、動物の視線で描かれている。そして、我々人間も何が現実で何が虚構なのか、ほんとうにわかっているのか疑問になってくる。テレビゲームのような戦争が話題になったことがあるが、全くそれと同じことが日常的に起こっている。ハリウッド自身に対する自己批判とも思えるシーンもあって、わてはすごいと思った。

人間と動物の関係についてわてはいつも考えているけど、動物を幸せにできない人間は自分も幸せにできないと思った。3Dでも2Dでもいいので、是非映画館で彼らの旅に同行してほしい。1時間半で、こういう体験はできるのだから。



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