理想の彼氏  痛手をいやして再出発

40歳専業主婦だった女性が夫の浮気でシングルマザーになって、24歳の青年との出会いと恋を描いたロマンティック・コメディだ。主演はキャサリン・ゼタ=ジョーンズで、相手役はジャスティン・バーサだ。アメリカで専業主婦でいられるのだから、経済的に相当恵まれていたのに夫の浮気でシングルマザーになってしまう。すぐに住む場所も仕事も手に入れることができて、若い男性と知り合ってしまう。全く理想のタイプではないが、深い仲になった時点で別れが来る。でも、ちょっとした巡り会わせでハッピーエンドが待っている。

なかなか、この映画は単純でない点がいい。何もかも恵まれた環境だったのに、ホームパーティーの最中に知り合いの女性と夫が浮気をする。これほどの、屈辱的な離婚も珍しい。サンディ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は相当怒り心頭で、ニューヨークに来る。住む場所を見つけて、二人の子供の子守役の青年アラム(ジャスティン・バーサ)も雇うことができた。そして、運よくスポーツ放送局への就職も決まる。

また、アラムも災難にあっていた。大学を出たばかりで、グリーンカード目当ての若い女性と結婚した。そして、すぐに逃げられてしまったので仕方なくカフェでアルバイトをしていた。そんなときに、サンディに子守として雇われたのだ。両親と同居しているので、肩身が狭く全く自信もない。

サンディは、友人のダフネから自分の年齢にあった男性を紹介してもらい、デートをする。友人の紹介する男性はある程度仕事もできて、収入もある。しかし、サンディは同年齢の男性の嫌な部分ばかりに目がついて、ストレスがたまってしまう。

そこで、ストレス解消セラピーに行くと、女性に殴られる役をしていたアラムに出会う。そこから、二人は意気投合するのだ。子供たちがませているのも、笑わせてくれる。ハッピーエンドになるのだが、ひと波乱あるのがいい。

アイビーリーグの大学を出ても、世間知らずのお坊ちゃまのアラムは40歳のサンディから見ると子供だ。アラフォー女性なら、子供を作るのも可能だし初婚の方もいるだろう。今の世の中、年の差カップルはよくある話だ。キャサン・ゼタ=ジョーンズ(1969年生まれの40歳)は、カーク・ダグラスの息子マイケル(65歳)を夫に持ち2人の子供の母だ。立場は逆だけど、全くそのまんまの設定でいけるのだ。

この映画の邦題は、映画会社の売り方の問題なので文句を言っても仕方がない。でも、監督・脚本のバート・フレインドリッチの狙いは宣伝文句とは違うようだ。バスケットボールのようにリバウンドをしっかりとフォローすれば、人生も恋もやり直せるというのが真髄だと思う。

ちょっと付け足しだが、この映画はアメリカとイギリスでの公開は2010年に入ってからの予定だ。似たような映画があったので、公開時期をずらせたのだと予想している。脚本の5年間という設定に無理があり、公開を遅らせた可能性も考えた。



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