アンストッパブル

デンゼル・ワシントンが通常の5分の4のギャラで出演を承諾し、トニー・スコットも3分の2のギャラで監督を引き受けた映画だ。マーク・ボンバックの脚本が優れていたので、出演者がこの物語を演じることに熱意を持っていたと思う。2001年5月にオハイオ州で起きた事件をモデルにして、暴走した列車を止めることに命をかけた鉄道マンの執念と、彼らの家族の再生の物語を平行して描くことで娯楽作品の傑作が誕生した。

2001年5月15日に起きた事件は、オハイオ州トレドでCSXの47両の貨物列車が暴走して発生した。66マイルを暴走したが犠牲者はでなかった。その事件に関わった二人の鉄道員の記憶をもとに、映画の脚本が作られた。その事件をペンシルバニア州に置き換えて、映画が製作された。ペンシルバニア州ブリュースターで、フランク・バーンズ(デンゼル・ワシントン)は二人の娘ニコール(エリザベス・マティス)とマヤ(ミーガン・ダンディ)との関係に悩んでいた。

一方、ウィル・コルソン(クリス・パイン)は、妻ダーシー(ジェシー・シュラム)と息子との関係がうまくいっていない。妻の浮気を疑って暴力的な行動をしたので、会うことが禁止されていた。そんな二人が、その日初めてミンゴ操車場で同じ貨物列車に乗ることになる。しかも、会社は28年間勤続のフランクを解雇して、若いウィルを採用する姿勢を示していた。二人が列車に乗る頃、離れたフラー操車場では最新鋭の貨物列車777号が運転手のケアレスミスで暴走をしはじめていた。

無人のまま暴走しはじめた777号は、39両連結で800メートルの長さがある。しかも、有毒化学物質液状フェノールと19万リットルの軽油を積んでいる。一番の惨事になるケースは、スタントンにある急カーブを曲がるのにスピードが出すぎているので脱線してしまうことだ。脱線すると、人口密集地帯で大きな犠牲が予想される。

鉄道会社は暴走した列車の先頭に動力車両を接続して、ブレーキをかける方法だ。それは全く効果がない。次には、線路に脱線装置を設置して暴走列車を意図的に脱線させる方法を試みる。でも、それもスピードと重量のある列車の前には無力だった。777号との正面衝突を回避したウィルとフランクは、後ろからの接近を試みる。ヘリコプターがテレビで生中継をすることになって、フランクとウィルの家族も気がつく。前半で散りばめられた伏せんが、見事に回収される物語がすばらしい。

デンゼル・ワシントンやトニー・スコットのギャラについては、ほんとうのところは明らかになっていません。ゴロゴロ。



同じカテゴリー(2011年映画)の記事
トロン:レガシー
トロン:レガシー(2018-10-16 14:01)

リアル・スティール
リアル・スティール(2011-12-12 00:13)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
アンストッパブル
    コメント(0)