friends もののけ島のナキ

3Dで見たのだが斜視なので、2Dでもよかったと思う。87分という上映時間でよくこれだけの物語を展開できたと思う。浜田廣介の児童文学『泣いた赤鬼』を原作に、山崎貴が監督と脚本を担当して映画化した3DCGアニメだ。アニメの質はモーションキャプチャーではなく、日本的な動きを大切にしている。人間との戦いでもののけ島に追いやられた鬼たちは静かに暮らしていたが、突然流れ着いた人間の赤ちゃんの面倒をみるうちに赤鬼が変化していく。非常によくできた脚本で、人間と鬼の関係修復だけなく色々なテーマが重層的に描かれている。秀作だといっていいだろう。

人間の住む陸地から少し離れた島に入ると、ものけけが住む島がある。鬼達は200年前人間から追われ、その島に逃げ延びていた。ある日人間の兄弟が船でもののけの島にキノコを取ろうとやってくる。もののけに見つかって兄は逃げるが、赤ちゃんのコナキ(加藤清史郎)が残されてしまう。その面倒役になったのは、もののけのはみ出しものナキ(香取慎吾)だ。島はずれに住むナキの唯一の友人は、グンジョー(山寺宏一)だけだった。

村に帰った兄は事情を話して、村中の人間が警戒態勢を取る。コナキはもののけの怖さが理解できず、徐々にもののけたちを仲良くなる。これは、大変におもしろい。人間の赤ちゃんに振り回されてもののけたちは、村に送り返そうとする。でも、島の穴を抜けた向こうまで送らないと、コナキは戻ってきてしまう。

ゴーヤン(阿部サダヲ)やミッケ(YOU)やFROGMANの声のキャラクターが、おもしろい。人間の村に偵察に行くと、やぐらを立てて警戒していた。また、流れ者の侍まで用心棒にやとっていた。ナキは母親を人間との戦いで亡くしていたが、グンジョーの母は風の便りに生きているかもしれないと聞く。もののけが食べると、ほんとうに怪物のようになるキノコもある。

最後はコナキを無事に人間の世界に戻すことができる。そこまでに過程が、実によくできている。特にグンジョーがナキのために、一肌脱ぐエピソードが泣かせる。その後のグンジョーの行動も涙腺を刺激する。人間ともののけの関係だけでなく、母と子の絆まで盛り込んである。脚本がすばらしい。子供を出しにして、大人も見ることをお勧めする。



同じカテゴリー(2011年映画)の記事
トロン:レガシー
トロン:レガシー(2018-10-16 14:01)

リアル・スティール
リアル・スティール(2011-12-12 00:13)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
friends もののけ島のナキ
    コメント(0)