ザ・タウン

ベン・アフレック主演・監督・脚本で、チャック・ホーガンの「強盗こそ、われらが宿命」を原作に作られた銀行強盗の映画だ。ボストンのチャールズタウンは独立戦争の発端になった記念碑がある歴史のある街だが、銀行強盗の発生件数が年間300件という物騒な場所だった。アイルランド系移民で強盗という稼業から抜け出そうとする主人公の葛藤を、激しいアクションとリアルな脚本やロケで見せる濃い内容の作品になった。こういう実在する土地で現代を舞台にして映画が作れてしまうのがすごい。

125分という上映時間は全く長くなく、共演のジェレミー・レナーはオスカーの助演男優賞にノミネートされている。実は2日連続でこの映画を見たのだけど、全然退屈でなかった。全く無駄なシーンがないほど、この脚本はしっかりとしていた。主人公のダグ(ベン・アフレック)は、すべてを捨てないと自分の人生をやり直すことが不可能だったのだ。幼馴染のジェム(ジェレミー・レナー)は自分のために刑務所に9年間も入っていた。その妹クリスタ(ブレイク・ライヴリー)との仲も、簡単に別れることなど無理だ。さらに犯罪を指示する花屋のファーギー(ピート・ポスルスウェイト)は、父の代からその役目をしている。

ダグは仕事にけりをつければ街を出ることができるかもしれないと思ったのだろう。それは最初から無理だった。友人も恋人も財産もすべて捨てれば、街を出ることができた。クレア(レベッカ・ホール)の銀行を襲撃する最初のシーンから、すべてを捨てないといけない理由が明かされていく。ジェムは頭に血がのぼりやすいので、クレアを人質にしてしまう。ダグは現実の厳しさがわかっていないので、クレアと恋に落ちてしまう。父が仲間を見捨てないで刑務所に入ったのが、街を出る一つの方法だ。

チャールズタウンだけでなく、サウスや他の地区の囚人が刑務所にいる。それはダグの父親にとっても、肩身が狭い。花屋が無理な指示をするのは、他の地区との勢力争いがあったと思う。2回目の現金輸送車の襲撃では、運転手を撃つという不始末をする。そして最後のレッドソックスの本拠地のフェンウェイパークを襲撃する意味は、自分の街を否定することになった。350万ドル(約29億円)を強奪するなんて、無茶苦茶だ。

FBIのフローリー(ジョン・ハム)たちの捜査方法も相当に強引だ。指紋のようなものが取れたといって4人を連行しても、ダグたちは全く動揺しない。仲間の秘密を売って自分の成果にするとディノ(タイタス・ウェヴァー)が言われるけど、乱暴な捜査方法が行われている。娘を人質にしてクリスタから証言を得て、クレアにはダグを騙すように強要する。

ダグとクレアは、もう会うことはない。FBIはどこまで逃げてもすべてを捕まえると言うけど、大変に傲慢だという印象を受けた。最後のシーンで、子供たちがスケートリンクでアイスホッケーをする。汚れた大人の世界を彼らには見せたくないと思った。チャールズタウンは、この映画のおかげで観光名所になるかもしれない。それが、一番いい未来だ。



同じカテゴリー(2011年映画)の記事
トロン:レガシー
トロン:レガシー(2018-10-16 14:01)

リアル・スティール
リアル・スティール(2011-12-12 00:13)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
ザ・タウン
    コメント(0)