デビル

M・ナイト・シャマランが考えたアイディアを映画化する”ザ・ナイト・クロニクル”というプロジェクトの第一弾となる作品だ。若手が監督として起用され、今回はジョン・エリック・ドゥードルだ。映画冒頭世界を上下逆さに見ている映像から始まり、デビル(悪魔)が人間を襲うという迷信が紹介される。悪魔は天使の一人だったけど、悪さをして地獄に落とされた存在だ。だから、地下深い場所が悪魔の居所がいい。神はすべてを許してくれる存在で、自分の罪を告白することがその条件だ。そういう知識があると、この映画はきわめて合理的な理路整然とした内容であるとわかる。エレベーター内で起こる惨劇にはかなり怖い演出がされているけど、結末は大変にキリスト教的だった。

フィラデルフィアの刑事ボーデン(クリス・メッシーナ)は、妻子を酔っ払い運転運転の車との事故で亡くしていた。それ以来酒びたりになっていたが、やっと克服したばかりだった。高層ビルの飛び降りで駆けつけると、落ちた場所と発見された場所が違うことに気がつく。それと同時にそのビル内で、エレベーターが停止して傷害事件が発生したと知らせが入る。すぐに中央制御室に駆けつけると、警備員のラミレス(ジェイコブ・パルガス)とラスティグ(マット・クレイヴン)がいた。

停止したエレベーターの中には、整備工のトニー(ローガン・マーシャル=グリーン)、セールスマン(ジェフリー・エアンド)、サラ(ボヤナ・ノヴァコヴィッチ)、老女(ジェニー・オハラ)、派遣の警備員のビル(ポキーム・ウッドパイン)の5人がいた。最初は単純なエレベーターの不具合かと思われたが、サラの背中に切り傷が見つかった。その後、セールスマンが何かで刺されて死亡する。ボーデン刑事はエレベーターの中の5人に声を掛けて、冷静になるように呼びかける。でも、中の声は外に聞こえない。

ビルの設備担当者があちこち点検してまわるが異常が見つからない。屋上からエレベーターシャフトから降下しようとするが、墜落して亡くなる。ボーデン刑事たちは中にいる5名の詳細を調べ始める。すると、セールスマンの男性は多くのお客からお金を騙し取っていて敵が多かった。また、サラは夫のキャラウェイ氏と離婚協議中だった。老女は、ビルのロビーでスリをしていた。派遣の警備員ビルは、雇われたばかりで暴行の常習者だった。整備工のトニーだけが、元海兵隊というだけで特に問題がないように見えた。

その後停電があり、老女が首吊り状態で発見される。次の停電では、派遣の警備員ビルが殺される。警備員のラミレスは、悪魔の仕業だと言いはじめる。もはや超自然現象が起きているとしか思えなくなり、わても怖くなってしまった。サラとトニーだけになった瞬間の緊張感は、すごいものがあった。

でも、映画冒頭の天地逆の映像とキリスト教的考えから見ると、理路整然としている。人は自分の罪を告白して悔い改めようとすれば、許されるのだ。それをしようとしない人間は、悪魔に好まれる存在になる。自分の罪を告白して、許されることがこの映画のキーワードになっている。でも、老女のあの姿は怖かった。



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