幸せへのキセキ  WE BOUGHT A ZOO

イギリスで動物園を購入したベンジャミン・ミーの実話を、キャメロン・クロウ監督・製作・脚本で舞台をアメリカに変えて映画化した作品だ。ベンジャミンの妻が亡くなったのは動物園購入後だったけど、それを購入前に変更して父と子とも達の物語にしたのがよかった。親子関係のドラマと、動物飼育の素人がベテラン飼育員と協力して動物園を再建する過程が平行して描かれている。動物が癒しの効果を発揮して、人間が変わっていく様子を軽快な音楽とともに表現した。元気になれる映画だと思った。

ロサンジェルスの新聞社に勤めるベンジャミン・ミー(マット・デイモン)は、世界各地を飛び回って冒険談を書いている。最愛の妻を亡くして半年、本人は落ち込み会社も首になってしまう。14歳の息子ディラン(コリン・フォード)は反抗期が加熱して問題をおこしてばかりいた。7歳の娘ロージー(マギー・エリザベス・ジョーンズ)は、素直だけど元気がない。ディランが盗みをして中学校を退学処分になってしまう。警察沙汰にしないかわりにほかの学校に行ってくれというわけだ。

心機一転するためにベンジャミンは不動産屋を訪ねて、いろいろな物件を見て回る。そして、最後の最後に紹介されたのがいわく付きの物件だった。それは、閉鎖している動物園のオーナーの家だった。その物件を買えば、自動的に動物園のオーナーになってしまうのだ。無理やり引っ越してきた親子三人は、今までに慣れ親しんだ都会を離れて住み始める。飼育係りの責任者ケリー・フォスター(スカーレット・ヨハンソン)は最初丁寧に対応するが、ほかの飼育係りは反発する。

ベンジャミンの兄ダンカン(トーマス・ヘイデン・チャーチ)は、最初反対するけど弟の頑張りを見て協力的になる。長男のディランは田舎生活が大嫌いで、同じ年頃のリリー(エル・ファニング)に冷たくあたる。またディランは父が娘のロージーと動物園の運営ばかりに集中して、自分の気持ちをわかってくれないのがストレスになっていた。動物園の開業認可担当の役人ウォルター・フェリス(ジョン・マイケル・ヒギンズ)は、電動の巻尺を使って嫌味たらたらの検査をする。

父と息子が虎の飼育室の前で語り合うシーンがいい。ベンジャミンがスタッフの前で、頭を下げて協力してくれと頼む。エル・ファニングの身長が伸びて女性らしくなっているのに驚いた。ディランとリリーの仲直りは微笑ましい。マット・デイモンは父親役が似合っていた。クマが動物園を脱走したり、虎やライオンのエピソードなど動物の様子も興味深いものだった。動物園に行ってみたくなる映画だ。



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