エクソダス:神と王  3D日本語吹き替え版

リドリー・スコット監督が映画化した、旧約聖書の「出エジプト記」を題材にした歴史スペクタクルアクション大作だ。モーゼの物語は常識として知っているのが大前提になる。チャールトン・ヘストンの「十戎」を知らなくてもついていけるとは思うけど、知っていると登場人物がより人間的に描かれているのがわかる。シナイ山に登って神からの啓示を受けたモーゼが半信半疑でエジプトに戻り、ヘブライ人を救い出すまでが描かれている。10の奇跡や海が割れるシーンも実際にあったと思えてくるから不思議なのだ。3Dで見ると、まるで体験しているようだった。

今回の3Dは何気ない会話シーンも立体感があって、すごい進歩だと感じた。屋敷の奥行きも洞穴の深みも、空を飛ぶ虫、崖を走る戦車、そして最後の海の道のシーンとすごい映像体験なのだ。ここまで進化しているのなら、必ず3Dで見てほしいと思う。10の奇跡も可能性が高い自然現象として描かれている。ナイル川のワニが魚の減少で人間を襲撃し始めて、川が真っ赤に染まる。その水を畑に引き入れたら、当然作物は育たない。魚がいないので、カエルが大発生する。

カエルは陸に上がると死んでしまうので、それにぶよやあぶがたかる。衛生面の悪化によって、疫病が流行してエジプト人に腫れ物が発生する。作物が育たないので、生態系が崩れてイナゴが大発生する。巨大な雹も降ってくる。イナゴは国中の緑を食べつくす。最後には暗闇(日食)が3日間続き、エジプト人の長子が死に至る。日食以外は、どこか自然破壊が引き起こしたと考えられなくもない。これらのことが続いて起きるので、モーゼ(クリスチャン・ベイル)はヘブライ人のリーダーとしての自覚を強めていく。

そもそも、モーゼはラムセス(ジョエル・エドガートン)と兄弟のように育てられた。セティ王(ジョン・タートゥーロ)の息子として、二人は英才教育を受けてきたのだ。ある日、ヘブライ人の暮らすピトムの視察に行くと長老のヌンから「実はあなたはヘブライ人で我々奴隷を救うと預言されている」と聞かされる。それをスパイしていたピトム総督に告げ口されて、エジプトを追放される。不毛の荒野に放り出されたモーゼは、紅海を渡りある村でツィポラ(マリア・バルベンデ)に出会い結婚する。そして家庭を作り子供もできる。シナイ山に登ったモーゼは、神の啓示を受けてエジプトに戻る。

それでも、自分の役目に半信半疑の気持ちのモーゼがいままでの映画にない描写だ。さらに、ラムセスも一人の子供の父親であり妻の夫である。子供が亡くなってしまうと悲しみにくれて泣きはらす。そして、追放したヘブライ人を皆殺しにするために追跡を始める。40万人のヘブライ人を率いいていくモーゼは責任重大だ。途中で道が別れている場所で、どちらに行くのか迷うシーンもある。映画を見ているとしっかりと印があるのだけど、モーゼはわかっていなかったようだ。そこら辺も注意して見てほしい。モーゼの十戎の解釈も興味深い。星5個の超大作だ。150分の上映時間も長く感じない。

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