フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ

E・L・ジェイムズの同名小説をサム・テイラー=ジョンソンが映画化した作品だ。官能ラブロマンスという範疇に入るようで、R15+となっている。若いカップルがバレンタインデイのデートで観るような内容ではないと思う。巨大企業の若きCEOと純粋無垢な女子大生が恋に落ちて、彼の倒錯的趣味を理解しようとする物語である。男性の50通りの歪んだ性格が出来上がった理由をもう少し詳しく描いていれば、もっと奥行きのある内容になっていた。続きが出来そうな終わり方であった。ファッショナブルではあるけど、エモーショナルではない。

ワシントン州立大学バンクーバー校の4年生アナスタシア・スティール(ダコタ・ジョンソン)は、ルームメイトのケイト(エロイーズ・マンフォード)の代わりに学生新聞の取材にシアトルへ行く。その訪問先は、巨大企業のCEOクリスチャン・グレイ(ジェイミー・ドーナン)だった。まだ20代なのにCEOになっているグレイは、相当のやりてだのだろう。

アナはケイトに教えられた質問を型どおりにするが、グレイが近くに座って「君のことを教えて欲しい」と言われてドギマギする。地味で初なアナを新鮮に思ったグレイは、ヘリコプターに乗せたりして急接近する。バンクーバーからシアトルまでヘリコプターでやってくるけど、グレイはアナに「自分の愛し方は他の人と違う」と言って謎めいたことを明かす。ベッドインしたのに、寝るのは別々の部屋というのがアナには納得出来ないことだった。さらに、契約書というのを出してよく読んで欲しいと言われる。

契約書というと結婚の契約書かと思うけど、そうではない。愛し方の契約書なのだ。グレイはサディズムの趣味を持っており、どのくらいのプレイまでやってもいいかという契約書なのだ。そんなものを渡されたアナは、びっくり仰天する。理解不能状態に陥ってしまう。今までに恋愛経験がなく、キスもしたことがないアナは青天の霹靂というやつだ。そんなアナの反応を見て、グレイも普通の愛し方をしようとする。

でも、それがなかなか出来ないのだ。実母が売春婦だったとか、義理の母の友人に性の手ほどきを受けたとかセリフで説明されるけど、深みがなくて実感できない。ミセス・ロビンソン(「卒業」の主人公〈ダスティン・ホフマン〉のガールフレンドの母親)という存在が明らかにされても、現実味がない。確かにエロティックなシーンは美しくて、官能的である。デートムービーとしてはお勧めできない。

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ワシントン州立大学とシアトル都心との距離は、460kmで車で4時間半かかる。



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