博士と彼女のセオリー

スティーヴン・ホーキング(公式英語サイト)博士の学生時代から、妻との結婚とALS(筋萎縮性側索硬化症)の症状がひどくなってからの研究活動の様子を描いた伝記映画だ。アカデミー賞5部門にノミネートされて、主演男優賞を獲得した。主演のエディ・レッドメインの演技はまるで本当に病気になっていくようだ。妻ジェーンは夫の研究に打ち込むのを本当に理解しており、共同研究者のようなパートナーだと感じた。家族であるだけならもっと楽ができたと思うけど、あえて過酷な道を選んでいる。観客は博士の車いすになった気分で、スクリーンに対面する。

1942年生まれのスティーヴン(エディ・レッドメイン)は、博士課程に進むのに教授から課された問題を簡単に解いてしまうほどの天才だ。63年にはケンブリッジ大学大学院で理論物理学を学んでいる。学内のパーティーで中世スペイン詩を専攻しているジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)と出会い恋に落ちる。でもその直後、体調に異変が発現しはじめて、検査してもらうと神経伝達の病気で随意的な筋肉の動きができなくなると言われる。それは、現在ALS(筋萎縮性側索硬化症)と呼ばれているものだった。ジェーンは彼の才能がずば抜けていると感じたので、迷うことなく結婚しようと言う。

家族は最初本当にいいのかと言うけど、決意は変わらない。余命2年だと宣告されたが、長男を授かることができる。そして、「時空の特異点」という博士論文を完成させる。車いすでの生活をするようになるけど、普通に食事もできるのだった。長女も生まれて、だんだん妻ジェーンの負担が大きくなる。74年には「ブラックホールの消滅」という論文を完成して、世界的に有名な物理学者になる。その後、徐々に症状が悪化したりしたので、妻に教会の聖歌隊に入るようにすすめる。聖歌隊の指揮者でジョナサン(チャーリー・コックス)が長男のピアノの先生もするようになる。

ALSになっても子供を作ることは可能なのだ。それは男性機能が脳の無意識の指示におかれているからだ。そんなことをわからない世間では、三人目の子供が生まれたことを誰の子供だと疑問に思う。ジョナサンは一家と距離を取るようになる。そして、フランスのボルドーで行われるオペラに招待されたスティーヴンは学生と渡仏するが、肺炎になってしまう。ジェーンは病院に駆けつけるが、医者は「人工呼吸器を外す覚悟をしてください」と言い出す。それを拒否したジェーンは、本国に連れて帰り気管切開の手術を受けさせる。死んでしまっては研究ができなくなるので、絶対に死なせたくないと思ったのだ。

その代わりに、彼は声を失ってしまう。でも、ジェーンは悲観しない。文字を目で合図して会話できるボードを持ってくる。ジェーンには子育てもあったので、看護師を家に入れることになる。今度はスティーヴンがその看護師と心をかよわせるようになってしまう。やがて、ジェーンは彼と離婚する。このあたりの割り切り方は、日本人の感覚と違うと思った。エリザネス女王から勲章をもらうときには、別れたジェーンといっしょに出席する。授賞式のあとに子どもたちといっしょのシーンがあり感動した。星5個。

実際にはアメリカのコンピューターの専門家が、博士専用のパソコンを贈呈して研究を続けられるのだ。スティーヴンが離婚して再婚するまでには時間的に間隔があるので、映画の脚本はちょっとおおげさかもしれない。余命2年と宣告されたのに、73歳の現在も博士は健在だ。それこそ、神様のおかげだろうか。ALS三人展ホーキング博士参照。

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