映画 暗殺教室

松井優征の同名漫画を、羽住英一郎が映画化した作品だ。地球の破壊を目的にやってきた地球外生物のエイリアンが、なぜか落ちこぼれ中学生の担任をするという内容だ。昔の火星人みたいなタコのように足をたくさん持っている”殺せんせー”が落ちこぼれ学級の担任になる。宇宙人の侵略対地球人の対決というテーマもあるのだけど、落ちこぼれ中学生の反乱という物語も平行して進む。暗殺という言葉があるけど、子供でも安心して見られる内容だった。「to be continued(続く)」とあったので、続編があるのだろう。

映画冒頭で、有名進学校椚ヶ丘中学校の落ちこぼれクラス3年E組が優等生たちとの比較上必要な存在だと描かれている。実際問題、有名進学校では落ちこぼれクラスなど必要ないし、私立であれば効率が悪い。子供が少ない状況での設定はどうなのだ。でも、現実社会での貧富の格差や親の学歴による教育機会の格差を鑑みれば許容できると思う。殺せんせーが存在しているからこそ、この映画が成り立っていることも重大な要素だ。彼がいなくなった時点で、この映画は成り立たない。

以上のことから、この映画は地球外生物の侵略から地球を守ることよりも、殺せんせーを暗殺する資質を身につける中学生の成長の物語なのだと思う。でも、暗殺というのは、誰が犯人かわからないような方法で行うのが普通なので、映画自体がゲームのようでもある。殺す相手が非現実的存在であるほど、この映画は面白さが増す。ということで、幅広い観客を対象にしたものになっていた。

殺せんせーはVFXで作っており、声は二宮和也だ。メモ魔の潮田渚(山田涼介)、けんか好きの赤羽業(菅田将暉)、帰国子女の中村莉桜(竹富聖花)、理科が得意な奥田愛美(上原実矩)らが特徴的だ。教師では、副担任の鳥間惟臣(椎名桔平)、英語の教師でナイスバディのイリーナ・イェラビッチ(知英)、自衛隊の鬼教官鷹岡明(高嶋政伸)も面白い。

自立思考型砲台(橋本環奈)はアプリの供給元になってしまうけど、転校生の堀部イトナ(加藤清史郎)が結構大きくなっていて今後の物語でも楽しみになってきた。漫画が原作なので、そのストーリーでシリーズ化も大いに結構だと思う。彼らが使う武器は人間相手では何の役にも立たないので、安心して見られると思う。

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