ピッチ・パーフェクト

2012年に全米で口コミで公開館が広がって大ヒットした作品だ。大学の女子アカペラ部のメンバーが悪戦苦闘しながら全国大会に出場するまでを描いている。俳優全員が吹き替えなしで歌い、踊る。しかもハーモニーもリズムパートも完璧なのだ。これだけの楽曲と踊りを見せてもらえば、少しドラマが弱くても満足して劇場をあとにできる。

音楽プロデューサーを目指しているベッカ(アナ・ケンドリック)は父が教授をしている大学に強制的に入学させられる。コンピューターを使ってミキシングをしているベッカは、大学のラジオ局でアルバイトを始めて学業に熱が入らない。でも、シャワーを浴びているときに鼻歌を聞かれてスカウトされて女子アカペラ部「ベラーズ」に入る。

ベラーズでは部長のオーブリー(アンナ・キャンプ)が権力を握っていて、選曲や振り付けなどをすべて自分の思うようにやろうとする。新入部員たちは何も知らないので、最初は素直に従う。男子のアカペラ部は最新の選曲をして、踊りも編曲も今風だ。たぶんわざとドン臭い演出なのだと思うけど、女子たちの格好悪さは際立っている。

それが地区予選までは通用するけど、全国大会への出場をかける大会では敗退してしまう。そこから、上級生も下級生もなく一つにまとまっていく様子がすがすがしい。リンカーンセンターで繰り広げられる各大学のパフォーマンスはすばらしい。これだけでもサントラのアルバムとして通用するだろう。

それをあのユニークな出演者のパフォーマンスで見せられたら、劇場で鑑賞するしかない。これだけのレベルを無名の俳優で演じることができるのだ。アメリカのショービジネスの底力を見せつけられた。ブロードウェーで舞台に立っている俳優でも、ハリウッドで売れていない人もいるのだ。これなら、第2弾も楽しみだ。星4個。

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